上野千鶴子先生の新入生祝辞が話題になっていますが、均等法前世代の働こうとした四年制大学卒の女性で“理不尽さ”を感じなかった人なんているのかしら?。
同じ大学に入り、同じ勉強をしたにもかかわらず、男子学生には就職案内が山のように届く。一方、女子学生には本当に何も来ない。私にはハガキが三枚届きましたが。なんとしても稼がなくてはと思っていたので、資格を取り、外資系企業に行きました。
日本系の監査法人の面接では“おなかが大きくなったら、みっともなくてクライアントに連れていけないから女性はいらない”とはっきり言われました。みっともないのは、不正を見逃して監査報告書にサインすることではないらしかったです。
よかったことが一つあります。日本企業を第三者として眺めることができたことです。その目的は徹底した利潤の追求ではない。もしそうだったら、人材採用で男女や外国籍かどうかは関係ないはずですから。では日本企業が大切にしていた価値観とは何か?それは徹底した同質性でしょう。
企業成長の戦略としてのダイバーシティ=多様性が求められることになるとはだれも予想していなかったことでしょう。