かれこれ知り合って15年になる同世代の陶芸家の友人がいます。
今年からある学校で教えることになったとのこと。
前任者は人間国宝の先生なので、何を教えていいのか相当迷ったそうです。
で、アメリカに留学経験もある彼は、日本の作家に最も足りないと感じていることを教えようと思ったそうです。
それは技術ではなく
なぜ、作家になるのか
なぜ、その作品を作るのか、作りたいのか
という 自分の気持ち。
人は生まれとか、育ちとか、それぞれに逃れることのできない背景を持っている。
だとしたら、決して人まねではない 自分だけの やむにやまれぬ
これを作らなければ生きてはいけない といった心情、それこそが
創作を生みだす原動力であるはず。
なるほど。
人に感動を与えてくれるもの
音楽でも美術でも演劇でも小説でも、
それは 作者の命を削るような切実さだと思います。