いつものホームセンター、ビバホーム長津田店に来ています。そろそろ夏野菜の苗が並ぶころ、1階右奥のガーデンセンターではみなさん、大きな手押しカートいっぱいに堆肥の袋を積み上げてます。 


今年の夏野菜は種から育苗している私。ですが、それでもプロ農家の育てた苗を見るのは楽しいものです。小さな育苗ポットにしっかりと茎葉を伸ばした幼苗たちを見るにつけ、さすがだなーと感心してしまいます。


"ねー、それならスーパーで買ったほうが安いじゃん"


イチゴ苗の陳列棚のほうから、素っ頓狂な声が聞こえてきました。若い夫婦がなにやら揉めてるようです。


"これ3鉢買ったら千円超えちゃうよ"


手にしているのは某大手食品会社が"本気で作った"というイチゴ苗、美味しそうな写真入りポップに書かれた価格は、居並ぶ苗の中でもひときわ高い、税込ひと株400円強です。


"えー、マジぃー、フードワン(近所のサンワ系安売りスーパー)ならイチゴ2バックは余裕で買えそう"


口を尖らせる奥さんに、まーまー、と笑いながらもしっかりと高いイチゴ苗を3つ、カートに積み込むご主人。


"これは初期投資みたいなもんだから、良い苗を買わないとさ。ほら、イチゴってランナーで増やせるじゃん、来年にはばーっと増えてさ、ベランダでイチゴ狩りもできるくらいになるよ、大丈夫、しっかりモトはとれるさ"


"ほんとー?"


まだ納得してない様子でしたが、それでも"モトはとれるさ"に妥協したのか、案外、足取り軽く、ふたり仲良くレジへと向かっていきます。


そんな後ろ姿を見送りながら、私は思います。


苗だけじゃイチゴはできないよー。


どう見ても農家さんには見えない若夫婦、これからもし初めてイチゴをやろうというのなら、苗の他にも、プランター、培土、肥料の三点セットは最低限、必要でしょう。病害虫にやられたら、あわてて薬剤や防虫ネットも買いに走ることになるかも。他にも、水やりのジョーロ、土をいじる小さなスコップ、などなど。


ね。


たぶん、モトは取れません。


いや、この若夫婦に限らず、好き勝手に野菜を作るだけ、そんな家庭菜園ではおそらくモトは取れてないでしょう。


ずらりと並んだイチゴ苗を見ながら、私は思います。


家庭菜園三年め、モトは取れなくてもお陰で楽しくやってます。が、はて。素朴な疑問、私は畑にいったいいくら使ってるんだろう。


(以下続きます

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