カラヤン・オーケストラ・スペクタキュラー(全13枚)にヘンデル作曲『水上の音楽』が二点収録されています。

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(1回目:1952年7月、キングズウェイ・ホール)
管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団
指揮 :ヘルベルト・フォン・カラヤン

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(2回目:1959年12月、グリュネンヴァルト協会)
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー
指揮 :ヘルベルト・フォン・カラヤン

フィルハーモニア管弦楽団との演奏は、なぜか当時のキレが不足しています。1950年代前半は、カラヤン壮年期の颯爽とした演奏が多く残っています。また、フィルハーモニア管弦楽団も1950年代前半は総じて爽快な演奏が多く、1950年代後半以降は指揮者の実質交代のためか鈍重な演奏が増えてきます。この『水上の音楽』はまるで後年の重い演奏スタイルが早々と表れたような不思議な雰囲気を感じさせます。

一方、ベルリン・フィルハーモニーとの2回目の録音では、快活な演奏を繰り広げています。オーケストラの力量の差はあるものの、ここではフルトヴェングラーの影響はあまり感じられず、娯楽音楽として作曲された『水上の音楽』を楽しく演奏しています。
演奏時間も2回目の方が短く、僅かなテンポのアップで精悍な雰囲気を出しています。


ハミルトン・ハーティ編曲による『水上の音楽』は現在あまり演奏されません。私は大学時代にこの編曲版を演奏し、ヘンデルの魅力にふれた経験がありますが、最近は古楽器オーケストラによる3つの組曲に別れたバージョンを聴くことが殆どです。ハーティ編曲の『水上の音楽』は1950年代~1960年代には様々なオーケストラが演奏していましたが、1970年代以降は急減してしまったようです。カラヤンも1959年の録音以降は、ヘンデルの作品はが合奏協奏曲集のみで、『水上の音楽』は再録音していません。

勿論、原典版の魅力は揺るがないものの、現代楽器オーケストラが演奏するように編曲されたハーティ編曲版もたまには聴いてみたいものです。


1960年代に名録音として有名だった米Everestレーベルの録音がSACDとして蘇りました。
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ジョン・アンティル/バレエ組曲「コロボリー」
アルベルト・ヒナステラ/バレエ組曲「パナンビ」
管弦楽:ロンドン交響楽団
指揮  :サー・ユージン・グーセンス
録音  :1958年8月、ウォルサムトウ・アセンブリー・ホール(ロンドン)


コロボリー」はオーストラリアの先住民族アボリジニの踊りの儀式に題材をとったバレエ音楽で、1944年に完成し1946年に作曲者指揮シドニー交響楽団で初演されました。
オリジナルは全7曲からなるバレエ音楽で、その第1,2,3,7曲を演奏会用にまとめたのがこの組曲です。原曲の第7曲は組曲版では第4曲と第5曲に分かれています。

第1曲「歓迎式典」
第2曲「夕星のための踊り」
第3曲「雨の踊り」
第4曲「トーテムの行列」
第5曲「閉会式」

第1曲、打楽器によるイントロから音響空間の広がりを感じさせます。

第2曲、弦や木管楽器の響きが自然に広がり、雄大な空間をイメージさせます。
第3曲、ステレオ初期の録音とは思えないオーケストラの奥行きを感じさせます。
第4曲、打楽器群が活躍しますが決してうるさくはありません、引き続き終曲に突入し終わりの儀式を締めくくります。


アルゼンチンの作曲家ヒナステラ(ジナステラ)若き日の作品、「バナンビ」は南米の先住民の伝承によるバレエとして作曲され、ブエノスアイレスで初演されました。また、アメリカでの初演は、1946年にエーリッヒ・クライバー指揮NBC交響楽団によって行われています。

2つの組曲に共通する事は、オーストラリアや南アメリカの先住民の儀式や言い伝えを題材にしている事、オーケストラ編成に多数の打楽器を投入している事、楽曲に原始的エナジーを感じさせるリズム重視の曲が入っている事でしょう。

似たアイデアは、ストラヴィンスキー作曲の舞踊音楽『春の祭典』が有名です。
『春の祭典』が初演時の大騒ぎも含めて国際的に有名になったのに比べて、この2曲は一部の関係者以外はあまり知られずに時を経てしまいました。

印象的な演奏に恵まれなかった事もあるでしょうが、曲自体の存在感としては『春の祭典』の方が数段上と言わざるを得ません。
勿論、そんな比較はこの2曲の存在価値を卑しめる事にはなりません。
少なくとも、この録音は未だに現役で通じるワンポイント録音の金字塔でしょう。

エソテリックから年に数回発売されるSACD。今月は(ボーナス狙いか?)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集がBOXで発売されました。
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ピアノ協奏曲第1番ハ長調 op. 15 (*)
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op.37 (*)
ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調《皇帝》 op.73 (*)
ピアノ:フリードリヒ・グルダ
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー
指揮 :ホルスト・シュタイン
録音 :1970年6月(*)、1971年1月、ウィーン・ソフィエンザール


全5曲とも今改めて聴いても素晴らし演奏です。
敢えて個人的な好みで順位を付けると、4番>3番>5番>1番>2番でしょうか。
第4番は発売当時からグルダの輝き頭ではありません演奏!とホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルのガッチリしたサポートが最も上手くかみ合った演奏との印象があり、これは今でも変わりません。
続く第3番も、ホルスト・シュタインの解釈の上手さとウィーン・フィルのまろやかな音色のバランスが生み出すバックのもとに、グルダが意外に堅実なバートーヴェン像を描き出しています。
第5番は流石に他に名演が多く、この演奏も見事ですが圧倒的とまではいかなくなります。

これら後期の3曲比べて、初期の2曲はやや不利になります。
第1番は冒頭からウィーン・フィルの潤いある弦やポッと浮かび上がる木管などが魅力的ですが、最近の演奏を聴いた後だと、やや「ゆるい」演奏に聞こえます。例えば、アルフレード・ブレンデルとサイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルとの演奏と比べるとゆるさが更に目立ちます。
第2番は、ピアノもオケも中途半端な感じが否めません。例えばアルゲリッチの刺激的な演奏を聴くと、退屈とは言いませんが他に魅力ある演奏が多くあるのは否めません。

LP当時の音と今回のSACDの音についても気になりますが、残念ながら当時の英DECCA盤をもっていません。やや変則的ですが、キングレコードがリリースした「スーパー・アナログ・ディスク」で第3番~第5番を購入していましたので、少し比較してみました。


国内盤LP(キング・スーパー・アナログ・ディスク)


音の豊穣感はスーパー・アナログ・ディスクに軍配が上がります。
2次コピー以降のカッティング用マスターを使用しながら、イコライザーやリミッターを使わずにテープ・デッキとカッティング・システムを直接接続して半速カッティングするという職人芸が英DECCA盤とは異なる魅力を醸し出しています。
一方、音のキレはSACDが一部勝るようです。再生系が異なるので単純に比較するのは難しいですが、SACDの広大なダイナミック・レンジを活かしてトゥッティでもオーケストラは堂々たる響きで左右のスピーカを超えて広がります。またピアニシモでもヒスノイズはほとんど目立ちません。
少なくともDECCA国内盤CDよりは音質向上のメリットは大きく、コレクションに加える価値は大きい名盤です。



1985年ロシア生まれで英国在住のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァがロンドンのウィグモア・ホールで開いたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ連続演奏会のライブ。
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ルードウィヒ・ファン・ベートーヴェン/
・ヴァイオリン・ソナタ第5 番ヘ長調 op.24『春』
・ヴァイオリン・ソナタ第2 番イ長調 op.12-2
・ヴァイオリン・ソナタ第10 番ト長調 op.96
ヴァイオリン:アリーナ・イブラギモヴァ
ピアノ :セドリック・ティベルギアン
録音:2010年2月23日、ロンドン、ウィグモア・ホール

演奏当時20代半ばと若い演奏家ですが、逆にベートーヴェンが初期~中期のヴァイオリン・ソナタを作曲したのも20代~30代と「同世代」の作品です。

一曲目のソナタ第5番ヘ長調、いわゆる「爽やかさ」に囚われずに明確なボウイングで透明感あふれる演奏です。第一楽章の再現部など、もう少し表情豊かにしても良いかなと思わせる部分もありますが、これは今後の楽しみでしょう。第2楽章の清楚な響き、躍動する第3楽章と一気に聴いてしまいました。
二曲目のソナタ第2番イ長調、ピアノのセドリック・ティベルギアンとの対話が微笑ましく、なおかつ充実した「二重奏ソナタ」です。ベートーヴェンのソナタではピアノが重要な役割を果たしますが、その素晴らしさが伝わってきます。
最後のソナタ第10番ト長調、ベートーヴェンは晩年にヴァイオリン作品を書いていないので、これが最後のソナタですが、楽譜に対する研鑽が感じられる落ち着いた演奏で、楽譜の隅々にまで配慮が行き届いた演奏です。既存の古いベーt-ヴェン像に囚われない新鮮な響きは、21世紀のベートーヴェン演奏に明るい光を当てています。

イブラギモヴァとティベルギアンは、2009年10月27日に第1番、第4番、第7番、第8番を、2010年5月25日に第9番、第3番、第6番を演奏して全曲を録音しました。これは、ぜひ全部聞いてみたいと思います。


FIFAワールドカップブラジル大会が開幕、日本は第一戦のコートジボワール相手に残念な結果でした。
ワールドカップの音楽というと、ヴェルディ作曲の歌劇「アイーダ」第二幕の凱旋行進曲が有名です。トランペットの旋律があまりにも有名になり、原曲を知らないまま親しんだ方も多いのではないでしょうか。

ヴェルディ/歌劇「アイーダ」第2幕~凱旋の場
合唱 :ミラノ・ラ・スカラ座合唱団
管弦楽:ミラノ・ラ・スカラ座管弦楽団
指揮 :リッカルド・シャイー

FIFAワールドカップのテーマといえば、2010年の南アフリカ大会、シャキーラ(Shakira) が歌った「Waka Waka (This Time for Africa)」がとても楽しくウキウキする曲でした。



今回のブラジル大会も公式ソングが公開されています。
アメリカの歌手ピットブル(Pitbull)が歌う『We Are One (Ole Ola)』が公開されています。

ゲストとしてジェニファー・ロペスとブラジルのクラウディア・レイチが共演し、ブラジルの陽気なサンバのリズムにのった楽しい歌ですが、個人的には2010年の「Waka Waka」の方が好きかもしれません。


国内では、ミスチル桜井和寿とGAKU-MCによるユニット「ウカスカジー」が歌う2014サッカー日本代表応援ソング『勝利の笑みを 君と』が某国営放送で使う曲よりも好みです。

この曲は聴いているだけで元気が出ます。
日本代表も、第2戦以降ぜひ持てる力を存分に発揮してほしいと思います。