
国内盤との違いは、発売点数が今のところ10点のみで、全てが2枚組~4枚組のセットものであることと、ジャケットがESOTERICのSACDのようなハードカバー本スタイル(但し、ディスクケースは紙封筒型)、そして最大の違いが価格でしょう。
国内盤は、1枚3000円で大半が1枚もの(カラヤン指揮のチャイコフスキーなど一部例外あり)ですが、英国盤は、2枚組が1400円台~1500円台、3枚組が1700円台と国内盤の約4分の1です。
安さにつられて、カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィルによるブルックナーの交響曲第8番と第9番を購入しました。
CD1
・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 (ノヴァーク版)
録音:1963年12月9-12日、ウィーン、ムジークフェラインザール
CD2
・ブルックナー:交響曲第9番二短調 (原典版)
録音:1961年11月20-22日、ウィーン、ムジークフェラインザール
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー
指揮: カール・シューリヒト
カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィルハーモニーが演奏したブルックナーの交響曲も、国内盤のSACDは第8番と第9番が夫々単独で発売されています。演奏自体は、長年にわたり名盤の誉れが高い組み合わせ、オリジナルのLPが発売された頃はあまり売れなかったそうですが、隔世の感があります。
ブルックナーの交響曲の演奏には、いつの時代にも熱いファンによる議論もあり、カール・シューリヒトの指揮にも賛否両論があります。「否」の代表的な意見は、「テンポが速くせっかち」「スケールが小さい」などで、「賛」の方は「気品あふれる演奏」「美しい天国的なアダージョ」といった意見が多いようです。
但し、録音については過去に高い評価はあまり無かったように記憶しています。これもよく聞く話ですが「EMIはマスターの管理がおおらか(いい加減)で、発売された国によって音質の異なる盤が存在する」事でしょうか。日本でも、過去に東芝EMI(当時)の独自マスタリング「HS-2088」による国内盤と英EMIの「Abbey Road Technology(ART)」による英国盤で仕上がりの異なるCDが並存していました。
シューリヒト指揮ウィーン・フィルハーモニーによるブルックナーも、私の持っているCDの音質は残念ながら満足するものではありません。そのためか、学生時代にLPではよく聴いたのに、CDの印象から永らくこの演奏とも疎遠になっていました。今回久しぶりに聴いてみて、昔のLPを思い出しました。もちろん音色はLPとは大きく異なり、今回のEMIによるマスタリングは「CDの上位版」を目指したものでしょう。
演奏は、両方とも快速テンポで、一部のブルックナー・ファンには我慢できない突っ走りです。私自身の好みからも「少し速い」とは思いますが、致命的な欠点とは思いません。逆に一部の高名な指揮者の超スローよりも、よほど生き生きした感じに聞こえます。この感じは、SACD化による音質向上が大きく影響しています。
今から約50年前に収録された古い録音ですが、過去、シューリヒトのCDで音質に不満だった人にもこのSACDでは十分に楽しめる音質です。
輸入盤は限定版との事なので、お早めに購入することをお勧めします。

ヴァイオリン・デュオ・リサイタルを聴いてきました。