17日に、西荻窪の小料理HANAでジャズ・ライヴを聴きながら美味しいお酒を楽しみました。小料理HANAは、店主の大塚さんがご自分の豊富な人脈を活かして、様々なイベントを開催しています。
今回は、NPO法人「協同労働協会OICHI」のミュージシャン支援活動の一環として、福山詩織さん他3名のライヴを堪能しました。

(vo) 福山詩織さん、
(g) 吉野悟さん
(bs) 小澤基良さん
写真は、演奏者の許可を得て撮影しています

会場の小料理HANAは、西荻窪駅から数分のビルのB1にある小さな店です。
カウンター席だけなので、大音量の出る演奏は難しいのですが、今宵のヴォーカル、アコースティック・ギター、ベースの組み合わせはちょうど良い感じでした。

しかも店が小さいので、全員がかぶりつき!
楽しい一夜を過ごす事ができました。
ESOTERICがメジャー・レーベルの音源を借りてリリースするSACDを購入しています。
今月はブラームスのピアノ協奏曲が2枚発売されました。
一枚は先日書きましたバックハウスのピアノ独奏でピアノ協奏曲第2番です。
もう一枚はエレーヌ・グリモーのピアノ独奏でピアノ協奏曲第1番ハ短調です。

http://www.esoteric.jp/products/esoteric/essw90083/
ヨハネス・ブラームス/ピアノ協奏曲第1番ハ短調 op.15
ピアノ:エレーヌ・グリモー
管弦楽:シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)
指揮: クルト・ザンデルリング
録音: 1997年10月21-22日、ベルリン、シャウシュピールハウス(ライヴ)
音源: ワーナー・クラシックス(旧エラート)

若くして欧米で活躍を始めたエレーヌ・グリモーは当時28歳でした。
指揮のクルト・ザンデルリングは当時85歳、祖父と孫ほどの年の差の共演です。
グリモーはフランス出身ながら、独墺系やロシアなど母国以外の作品も積極的に取り上げています。エラートと契約していた1995年~2001年もベートーヴェンやR.シュトラウスなどの独墺系の作品を録音していました。

ブラームスのピアノ協奏曲は、その規模の大きさから女性が演奏するのは困難との印象があります。
確かに、過去にブラームスの協奏曲を得意にした著名な女性ピアニストはあまりいません。
エリザベート・レオンスカヤは2曲録音していますが、他にはラローチャのライヴ録音くらいでしょうか。

このSACDで、グリモーは遅めのテンポで輪郭線のはっきりした力強い表現をとっています。と言っても、パワーで押す演奏ではありません。共演のザンデルリングも重量感が出るようにアクセントを明確にして音響バランスを上手くコントロールしながら、一方でオーケストラの音量を出し過ぎないように巧みなサポートを聴かせます。その結果、音量自体は特別に大きくはないが勇壮感のある表現を実現しています。
当時のグリモーは、ブラームスについてはピアノ協奏曲第1番のみを演奏しており、この曲に対するこだわりがあったようです。もっとも、昨年にブラームスのピアノ協奏曲を2曲とも録音したので、今後両方を聴けるのは楽しみになります。

ここでエソテリックについての個人的な感想です。
同社が定期的にリリースするタイトルは、同社トップの大間知基彰氏の意向が強く反映されています。
勿論、最後は音源を保有するメジャー・レーベルとの交渉で決まります。
そのため、大間知さんの好み通りに音源が借りられるとは限らないでしょう。

しかし、バックハウスが弾くピアノ協奏曲第2番とペアで出す第1番なら他の候補もあるかなと・・・
同じユニヴァーサルミュージック傘下のDGにも素晴らしい音源があります。
マウリツォ・ポリーニとクラウディオ・アバド/ベルリン・フィルやカール・ベーム/ウィーン・フィルの新旧録音、
エミール・ギレリスとオイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィル、
クリスティアン・ツィメルマンとサイモン・ラトル/ベルリン・フィルやレナード・バーンスタイン/ウィーン・フィルの新旧録音、
旧Philipsならアルフレード・ブレンデルとクラウディオ・アバド/ベルリン・フィルなど、ブラームスのピアノ協奏曲にはそうそうたるカタログが揃っています。
願わくば、SACD化されていないこういった名盤をSACD化して欲しいと願うわがままな私でした。
ESOTERICがメジャー・レーベルの音源を借りてリリースするSACD、今月はブラームスのピアノ協奏曲が2枚発売されました。

まず、昔から大変有名な一枚です。

http://www.esoteric.jp/products/esoteric/essw90084/

ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
ピアノ独奏: ヴィルヘルム・バックハウス
チェロ: エマヌエル・ブラベッツ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: カール・ベーム
録音時期: 1967年4月
録音場所: ウィーン、ゾフィエンザール

ウィルヘルム・バックハウスは20世紀前半に活躍したドイツのピアニストで、彼が英DECCAに録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタと協奏曲は、長らくこれらの曲のスタンダードと言われてきました。
ブラームスの協奏曲もMONO時代に2曲録音していますが、ステレオ録音はこの第2番だけです。共演がカール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニーという事もあり、晩年のバックハウスの渋味あふれるソロと、カール・ベームの質実剛健な指揮がうまくかみ合った至高の名演です。
私も、過去に国内盤LP(ロンドン・レーベル:発売はポリドール、スーパーアナログ・ディスク:発売はキング・レコード)や輸入盤CDなどを聴いてきました。2004年にはユニヴァーサルからハイブリッドSACDが発売されましたが、すでに廃盤になっています。

演奏は虚飾を排した堂々たるものです。全体のテンポも特に凝ったような細工はありません。バックハウスも若い頃のような力任せな硬さもなく、オケがウィーン・フィルという事もあってか、チェロのソロなど渋さ一辺倒にならず表現の厚みを出しています。

SACDの音質ですが、過去の輸入盤CDに比べて音の硬さがとれ、聴感上は低域の伸びが増した感じを受けます。ピアノの音色も過去のCDよりも深みが増しているようです。

既に45年ほど前の録音ですが、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴く場合持っていて損はないディスクだと思います。


コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団によるシベリウスの交響曲全集+管弦楽曲集が、この春にSONY MUSIC(RCAレーベル)から再発売されました。デイヴィスにとって2度目のシベリウスの交響曲全集で、1992年~2000年にかけてセッション録音されたものです。

その後、LSO Liveレーベルから3度目の交響曲全集がリリースされましたが、この2度目の全集は、多くの管弦楽曲集を含んでおり、お買い得です。

初期の大作『クレルヴォ交響曲Op.7』は、再録音よりもゆっくりとしたテンポで、小規模なオペラを聴いているような感覚になります。どちらがいいかは、好みで決めて良いでしょう。


交響曲第1番~第7番は、再録音が全てライヴなので、この雰囲気を好む方やSACDサラウンドによる演奏空間を求める方はLSO Live盤を、曲自体を楽しみたい方は価格的にお得なこの全集をお勧めします。演奏自体は甲乙つけがたいもので、本当は両方欲しくなります(と、言うよりも両方買ってしまいました!)



『コリン・デイヴィス/コンダクツ・シベリウス』
【曲目】
シベリウス:
[Disc1]
交響曲第1番ホ短調Op.39
交響曲第4番イ短調Op.63
[Disc2]
交響曲第2番ニ長調Op.43
交響曲第6番ニ短調Op.104
[Disc3]
交響曲第3番ハ長調Op.52
交響曲第5番変ホ長調Op.82
[Disc4&5]
交響曲第7番ハ長調Op.105
組曲「恋人」Op.14
交響詩「伝説」Op.9
クレルヴォ交響曲Op.7
[Disc6]
4つの伝説曲Op.22
交響詩「ポヒョラの娘」Op.49
交響詩「吟遊詩人」Op.64
[Disc7]
「カレリア」組曲Op.11
交響詩「大洋の女神」Op.73
交響詩「フィンランディア」Op.26
悲しきワルツOp.44-1
交響詩「タピオラ」Op.112
交響詩「夜の騎行と日の出」Op.55
【演奏】
管弦楽:ロンドン交響楽団
指揮: コリン・デイヴィス
(Sp): ヒレヴィ・マルティンペルト
(Br): カール=マグヌス・フレデリクソン
合唱: ロンドン交響合唱団(クレルヴォ交響曲)
【録音】
1992~2000年 (デジタル:セッション)

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮の1960年代にDGへの録音を集めたKarajan 1960s
60年代の代表的名演の一つであるシベリウスの後期交響曲集から、第6番と第7番を聴いてみました。

交響曲第6番ニ短調 op.104
交響曲第7番ハ長調 op.105
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー
指揮: ヘルベルト・フォン・カラヤン
録音:1967年
会場:ベルリン、イエス・キリスト協会



カラヤンはシベリウスを得意としており、作曲者からも高い評価を得ていました。
しかし、生涯全曲録音を残さず(第3番は一回も録音せず)、第1番は一回だけ録音しました。

カラヤンは、1938年(当時30歳)に初めて交響曲第6番を指揮しています。
当時アーヘン市の歌劇場の音楽監督だったカラヤンは、ストックホルムで現地の放送管弦楽団に客演して交響曲第6番を指揮しました。この演奏が好評で、放送管弦楽団はこの若い指揮者に首席指揮者就任を打診して断られたそうです。
シベリウスが交響曲第6番を作曲した当時のカラヤンは15歳でした。
カラヤンから見て、シベリウスは同時代の大先輩で尊敬する作曲家だったのでしょう。

特に交響曲第4番~第7番は再三にわたり録音しています。
第6番の演奏ですが、「ニ短調」と記載されながらドリア旋法を取り入れた独自形式の作品です。カラヤンの演奏は北欧の冷たい空気感を感じさせながら、20世紀の交響曲としての緊密な響きをベルリン・フィルを駆使して描き出しています。
しっかりした音響の軸(柱)の周囲に樹氷のような煌めきを感じさせる稀代の名演と言って間違いないでしょう。

第7番では、小規模なこの作品の内省的な響きを外から分かりやすく描き出しています。
この演奏を聴く限り、シベリウスの後期の作品の難解さよりも純粋な響きの美しさに惹かれます。勿論、スーパー・オーケストラであるベルリン・フィルの名人芸を駆使してできる技でしょう。少なくともフルトヴェングラー時代のベルリン・フィルにはこのような繊細な描写力は無かったと思わせるほど美しい響きとバランスの良さを併せ持つ演奏です。

カラヤンは第7番をモノ時代(1955年)にフィルハーモニア管弦楽団を指揮してEMIに録音し、この1967年の録音が2回目(そして最後)でした。70年代後半にEMIに交響曲集を録音しながら第7番は再録音されませんでした。70年代のカラヤンによる第7番を聴いてみたかった気もしますが、この1967年録音の2曲があれば、とりあえず大満足です。

先日も紹介しましたが、カラヤン/ベルリン・フィルによる交響曲第4番~第7番をCD2枚に収めたアルバム(DG ORIGINALS)が廉価で入手できます。


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シベリウスの後期交響曲(第4番~第7番)をまとめてきたなら、
最初にお勧めしたい演奏です。