ESOTERICがメジャー・レーベルの音源を借りてリリースするSACDを購入しています。
今月はブラームスのピアノ協奏曲が2枚発売されました。
一枚は先日書きました
バックハウスのピアノ独奏でピアノ協奏曲第2番です。
もう一枚はエレーヌ・グリモーのピアノ独奏でピアノ協奏曲第1番ハ短調です。
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/essw90083/
ヨハネス・ブラームス/ピアノ協奏曲第1番ハ短調 op.15
ピアノ:エレーヌ・グリモー
管弦楽:シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)
指揮: クルト・ザンデルリング
録音: 1997年10月21-22日、ベルリン、シャウシュピールハウス(ライヴ)
音源: ワーナー・クラシックス(旧エラート)
若くして欧米で活躍を始めたエレーヌ・グリモーは当時28歳でした。
指揮のクルト・ザンデルリングは当時85歳、祖父と孫ほどの年の差の共演です。
グリモーはフランス出身ながら、独墺系やロシアなど母国以外の作品も積極的に取り上げています。エラートと契約していた1995年~2001年もベートーヴェンやR.シュトラウスなどの独墺系の作品を録音していました。
ブラームスのピアノ協奏曲は、その規模の大きさから女性が演奏するのは困難との印象があります。
確かに、過去にブラームスの協奏曲を得意にした著名な女性ピアニストはあまりいません。
エリザベート・レオンスカヤは2曲録音していますが、他にはラローチャのライヴ録音くらいでしょうか。
このSACDで、グリモーは遅めのテンポで輪郭線のはっきりした力強い表現をとっています。と言っても、パワーで押す演奏ではありません。共演のザンデルリングも重量感が出るようにアクセントを明確にして音響バランスを上手くコントロールしながら、一方でオーケストラの音量を出し過ぎないように巧みなサポートを聴かせます。その結果、音量自体は特別に大きくはないが勇壮感のある表現を実現しています。
当時のグリモーは、ブラームスについてはピアノ協奏曲第1番のみを演奏しており、この曲に対するこだわりがあったようです。もっとも、昨年にブラームスのピアノ協奏曲を2曲とも録音したので、今後両方を聴けるのは楽しみになります。
ここでエソテリックについての個人的な感想です。
同社が定期的にリリースするタイトルは、同社トップの大間知基彰氏の意向が強く反映されています。
勿論、最後は音源を保有するメジャー・レーベルとの交渉で決まります。
そのため、大間知さんの好み通りに音源が借りられるとは限らないでしょう。
しかし、バックハウスが弾くピアノ協奏曲第2番とペアで出す第1番なら他の候補もあるかなと・・・
同じユニヴァーサルミュージック傘下のDGにも素晴らしい音源があります。
マウリツォ・ポリーニとクラウディオ・アバド/ベルリン・フィルやカール・ベーム/ウィーン・フィルの新旧録音、
エミール・ギレリスとオイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィル、
クリスティアン・ツィメルマンとサイモン・ラトル/ベルリン・フィルやレナード・バーンスタイン/ウィーン・フィルの新旧録音、
旧Philipsならアルフレード・ブレンデルとクラウディオ・アバド/ベルリン・フィルなど、ブラームスのピアノ協奏曲にはそうそうたるカタログが揃っています。
願わくば、SACD化されていないこういった名盤をSACD化して欲しいと願うわがままな私でした。