~最新の研究が示した“転倒予防”のために本当に必要なこと~

高齢になると誰もが気になるのが「転倒」。
「筋力が落ちてきたから…」と、筋トレに取り組まれている方も多いかもしれません。

でも、実は筋力だけでは転倒は防げないことが、最新の研究で明らかになっています。


◆ 転倒リスクを減らすには「筋力+バランス力」が鍵

2025年に発表された研究では、60〜74歳の高齢者を対象に、24週間にわたる以下の2つの運動プログラムを比較しました。

  • 🏋️‍♂️ 筋力トレーニング(RT)だけを行ったグループ

  • ⚖️ 筋力+バランストレーニング(RBT)を組み合わせたグループ

その結果、両方のグループで筋力や最大歩行速度などが向上しましたが、
バランストレーニングを含んだグループだけが「通常歩行速度」「動的バランス機能」「下肢筋力」で有意に大きな改善を示しました​バランスと筋力。

つまり、転倒予防には筋力だけでなく「バランス能力」も鍛えることが不可欠というわけです。


◆ バランストレーニングって、どんなことをするの?

この研究では、バランストレーニングとして、

  • 不安定な振動マシンの上でスクワットを行う

  • 軽いダンベルを使った姿勢保持

  • ランジや片足立ちを取り入れる など

“揺れる環境”や“姿勢の変化”に対応する力を高めるトレーニングが組み込まれていました。

これにより、体幹や足の小さな筋肉、神経の働きが活性化し、転びそうになった時にグッと踏ん張れる力が養われたのです。


◆ なぜ歩行速度が大事なの?

研究では、「歩くスピード」も重要な指標として使われていました。

実は、歩行速度は「第6のバイタルサイン」とも呼ばれ、

  • 転倒リスク

  • 入院や介護の可能性

  • さらには寿命とも関連していることがわかっています。

特に、最大歩行速度が向上した人は死亡リスクが58%も低下したという報告もあります。


◆ まとめ:「転ばない体」は、つくれる

「もう年だから仕方ない」とあきらめる必要はありません。

  • 🦵下半身の筋力を鍛える

  • ⚖️バランス能力を高める

  • 🚶歩行速度を意識する

こうした取り組みをコツコツ続けることで、
“転ばない体”をつくり、健康寿命をのばすことができるのです。


📌 このブログは、2025年に発表された論文をもとに、高齢者の転倒予防についての情報提供を目的として作成しました。
個別の体調や症状に合わせた運動については、医師や専門職にご相談ください。