昨年1年間に東京都内で確認された特殊詐欺事件で、詐欺グループの電話番号が判明した3964件のうち、約8割(3175件)がインターネット回線を使うIP電話だったことが警視庁への取材でわかった。
IP電話のレンタルに本人確認義務はなく、詐欺への悪用に歯止めがかからない状況が続いている。
「還付金が受け取れる」。昨年4月、世田谷区の男性(73)宅に男の声で電話があった。電話機に表示されたのは「03」ではじまる番号。男性は信じそうになったが、警視庁に届け出て被害を免れた。
同庁の捜査で、発信元は都内の業者が埼玉県の女性に貸したIP電話の番号だったことが判明。実際の契約は女性を装う別人がしていた。この業者のIP電話はそれまでに数十回、詐欺に悪用されていた。業者は今回も「なりすましとは気づかなかった」と釈明したという。
格安IP電話・レンタル携帯・逆転送
