2017年の兵庫県内の特殊詐欺被害額は約14億6千万円となり、7年連続で10億円を超えたことが県警への取材で分かった。被害件数は前年比1・8倍の766件に急増し、キャッシュカードを直接だまし取られる「カード手渡し型」が3割以上を占めた。(石川 翠)
県警によると、被害額は前年比1・2%減のほぼ横ばいだった。犯人グループが現金を受け取る手段は「手渡し型」が341件(被害額約5億7千万円)で、このうちカード手渡し型が前年比207件増の246件(被害額約2億円)だった。ほかは「振り込み型」(204件)▽「電子マネー型」(137件)▽「送付型」(84件)-だった。
カード手渡し型の被害では、市職員や銀行員を名乗る男から「医療費の還付金があり、手続きにキャッシュカードが必要」「カードが古くなっているので交換する」などと被害者宅に電話があり、その後、男にカードを手渡すケースが目立つという。
電話で話をしている間にカードを預かりに来るケースもあるといい、県警は被害者が迷ったり家族に相談したりする時間が持てないよう手口が巧妙化しているとみている。
手口別では架空請求詐欺398件▽おれおれ詐欺189件▽還付金詐欺121件▽融資保証金詐欺43件-などだった。65歳以上の高齢者が7割を占め、阪神と神戸地域で7割を占めた。
県警では不審電話を撃退する警告機能付きの通話録音装置を無料で貸し出している。3月末までの先着順で、希望者は近くの警察署まで。

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