「カード手渡し型」急増 特殊詐欺 神奈川県警が対策躍起 | private-line

private-line

渋谷の携帯電話屋店長のブログ

 いわゆる「オレオレ詐欺」など特殊詐欺の被害件数が県内で増加の一途をたどっている。10月には認知件数が232件に上り、単月の認知件数としては過去5年で最多を記録した。なかでも「新興手口」として全体で被害の40%以上を占めるのはキャッシュカードを直接、手渡しでだまし取る「カード手渡し型」だ。今年10月までで被害総額は6億円以上に上っており、県警が対策を講じている。

 

 「デパートで、あなた名義のクレジットカードで服が購入されようとしていた。個人情報が漏れているので、キャッシュカードを新しくした方がよい」。今月4日、キャッシュカード3枚をだまし取られた横浜市栄区に住む80代の女性宅には銀行協会職員を名乗る男からこう電話があった。

 再発行を提案された女性はカードの暗証番号を電話口の男に教えてしまう。その後、自宅まで受け取りに来た別の男にカード3枚を手渡すまでにかかった時間は約3時間。女性が一連の出来事を親族に相談して被害が発覚したが、すでに女性の口座からは約120万円が消えていた。

 ■被害額41億円に

 県警捜査2課によると、県内の今年1月から10月までの特殊詐欺の認知件数は1756件(前年比788件増)で、被害額は約41億4100万円(同約7億4200万円増)。うち1747件が振り込め詐欺(手渡し型含む)の被害で、カード手渡し型は477件と、前年の49件から10倍近い増加を記録した。

 カード手渡し型が急増した背景について、捜査関係者は「現金が登場する場面がなく、心理的なハードルが低いのではないか」と分析。「カード手渡し型を新たな詐欺手口として周知していかなければ、被害を食い止められない」と危機感を募らせる。

 ■簡単にできる犯罪

 カード手渡し型に限らず、オレオレ詐欺被害が増加する背景の一つが、手軽さだ。インターネット上で加入する「IP電話」と電話帳さえあれば「誰でも簡単に始められる犯罪」だからだ。ある捜査幹部は「1人が1日にかけられる電話の回数が急激に増えるということは考えづらい。この犯罪に携わる人数が増えているということだろう」と類推する。

 また、オレオレ詐欺自体が主に暴力団が主導して生まれた犯罪であることから、現在でも犯行グループを主導しているのは暴力団周辺者であることが多い。一方、実行犯らは犯行グループの「末端中の末端」(捜査関係者)。実行犯を逮捕しても、グループの中枢にたどり着くケースは少なく、「トカゲの尻尾切り状態」(同)が続く。

 多様化する特殊詐欺にどう立ち向かうか。各署も対策を講じている。

 ミュージカルで啓発

 高津署(川崎市高津区)は11月27日、人の往来が多いJR武蔵溝ノ口駅近くで、区内にある洗足学園音大の学生らと連携し、詐欺被害の実例をミュージカル風に紹介するイベントを開催。カード手渡し型の手口も披露して、集まった地域住民らからは「分かりやすい」と好評を博した。

 同署では啓発イベントを積極的に行い、詐欺手口を周知。そのかいあってか、今年に入り36件の詐欺被害を防いだ(12日現在)。

 ある署の幹部によると、特殊詐欺対策の専従班を結成している署もあり、無人の現金自動預払機(ATM)周辺の警戒や、携帯電話で通話しながらATMを操作している人物には積極的に職務質問するなど対策を強化。「とにかく行動を起こして一件でも被害を減らすことが大事」とする。

 捜査幹部は「特殊詐欺は誰でも被害者となりうる犯罪。『自分だけは大丈夫』と思わず、不審に思ったら警察に連絡してほしい」と呼びかけている。

                    ◇

 ■特殊詐欺 電話などを使用して不特定多数に対して行う詐欺で、オレオレ詐欺▽架空請求詐欺▽融資保証金詐欺▽還付金詐欺-などの総称。一般には「振り込め詐欺」などと呼ばれるが、県警ではカードや現金の「手渡し型」もオレオレ詐欺に含まれるなど、振り込みを行わない「手渡し型」の詐欺も統計上、含まれている。

 

 

 

ホウドウキョク

 

 

 

 

格安IP電話・レンタル携帯・逆転送

業界最安値を目指すプライベートライン

 

03-6709-2359