ひとりで勝手に行け | あるちゅう司法書士の思うまま

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アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 私は大阪府下のアルコール専門病棟に入院したのですが、その1か月半前に京都の病院に助けを求めたことがあります。

 すでに総合病院の精神科でアルコール依存症の診断を受けながらも飲み続け、お酒がまったくきれなくなったのです。
 酔った頭にも必死でネットを検索しました。

 ヒットしたのは京都市民なら誰もが敬遠したくなる病院でした。

 それでも躊躇わずに電話したのですからよほどの危機感を持ったのでしょうね。初診の予約が取れました。

 妹にメールで病院に連れて行ってくれと頼みますが返信はありません。

 結局、私はその直後からまたお酒を飲み予約の日を飛ばしてしまうのですが、目が覚めると玄関に空のキャリーバックと手紙が置いてありました。

 「自分で荷物を詰めてひとりで勝手に行きなさい。
 妹も相手してほしいから入院の話をしてるだけで、行く気なんてないだろうと言ってる。
 妹には赤ちゃんがいるからそもそも手が離せないし、私もよう連れて行かん」

 私が酔いつぶれている間に母がマンションに来たようでした。

 アルコール依存症者への対応の仕方を知っていたのか知らなかったのか…
 この時突き放されたことで初めて見放され感を持ったのでした。

 飲みすぎるので気まずいことになっているのはわかっていましたが、実家にも出入りはしていたので私にはまったくの予想外でした。
 アルコールの病院に行くのだから、むしろ喜んで連れて行ってくれると本気で思っていました。

 周りの家族とのズレ。
 酔っぱらっている本人は感じることが出来ないのです。


 後から聞くに、妹は私の酷い飲み方を見てだいぶ前からアルコール依存症の勉強をしていたのでした。

 もし、あの日に妹か母がマンションに来ていたら…

 何だかんだと理由をつけて病院へ行かず、彼女たちの前で安心して飲んだのでしょうね。
 
 見放されたことで大阪の病院を見つけ出し入院することが出来たのです。