講堂に上がってみます。
この建物を特徴づける花頭窓。
10本の欅の円柱が大屋根を支え、花頭窓から差し込む光が漆塗りの床に反射します。
ここでは武士だけではなく庶民の子弟も儒学を学びました。
孔子の儒家思想の中に徳治主義があります。
これは為政者は自らの人格を高め徳をもつことで民に尊敬され、民に慕われるように政を行って、民の人心を掌握し治めることをいうようです。
砕いていうなれば、民衆をまとめ政をおこなうには権威や位に胡坐を掻かず、自ら率先して自己研鑽に励むべきだという意味でしょうか…
民に信任され、民のための権力。
その指導者足りうるのは藩士の子弟という身分や世襲ではなく教育と研鑽による徳だという儒学と彼の考えです。
池田光政自身は大名家という前者のなかにある人でありながら先進的ですね、
それゆえ様々な柵のある城下かから離れたこの地を選んだのかもしれません。
堂内には心得や学則のようなものが掲げられ、澄み切った緊張感のある空気の中で学ぶ心・礼節を重んじた教育が行われたことを窺わせます。
貴重な様式をもつ建物自体だけでなく、ここに受け継がれてきた「心」が評価されたのでしょう、昨年日本遺産に認定されました。
何だか難しい話がたくさん出てきました。私も少し勉強しなくてはいけません。