恥ずかしながら、ちきりんのブログが有名なのは知っていたが、著書やブログを見るようになったのは半年前くらいに、友人のMさんに勧められたからだ。例えば、世の中は着実に進歩しているのだから、やたらと懐古主義に走るべきでないという世界観など、すごく共感できる点も多く、定期的にブログをチェックするようになった。
ワールドカフェで話し合う問いを立てるのには難渋した。僕はこの本では、クリティカル・シンキングを肯定しながらもフレームワークに頼ることを戒めるような内容が印象に残ったのだけど、そんな内容をグループで深めて話せるわけもなし、(ファシリテーション的な場ではクリシンは不人気だし(笑))結局問いは、「「判断基準」をどうやって養っているのか?」で落ち着いた。
本では、判断基準を婚活や就活を例に述べていたけど、結婚の判断基準を足がかりに色々と話しは盛り上がった。そのなかで印象に残ったポイントをいくつかあげる。
「決める」ことから逃げない。特に仕事などでは、「決める」ことから逃げるやつがよくいる。そういう人は敢えて判断基準といえば、エライさんの顔色やウケだったりするわけだ。極端なことを言えば、メシに何を食うか決めるような時でも、自分なりの判断基準を持って決める。そして成功や失敗から学んで、次に活かすことが大事なんだとあらためて思う。
「決める」ためには、「絞る」ことが大事。その際に2軸で判断する。例えば婚活では、見た目と性格など2軸でマトリクスにしてプロットすれば、決めやすい。ただ、話を深めて行くにつれ、「2軸は確かにスピーディーに決まるが何か大事な見落とし感があるよね。たとえば、結婚においてもルックスと性格で決めたはよいが、家庭環境という軸を考えなかったためにエラい後悔をしてしまった」という話でグループは大笑いとなった。ハッキリ結論は出なかったけど、大事な決断の時には2軸にもうプラスワンを考えた方がいいのかなと。
当意即妙な意思決定をするには?という議論もよい気付きが得られた。エレベータートークでの失敗談も交えながら、ちきりんさんは本で「買収を繰り返して成長する企業は、平時から買収戦略を練り上げています。世界のどの会社が売りに出されたら買うべきか、その際いくらまで払ってもよいか、というようなことを、この段階で検討しているのです。」と述べられていたが、そういえばビジネス誌で、日本電産の永守社長は日頃会社四季報を持ち歩いていて暇さえあればお買い得の企業がないか探しているという記事を読んだのを思い出した。
「秀吉のぞうり」のエピソードではないのだけど、常に心の準備をしているのが大事なのだろう。「やりたいことリスト」を眺めながら、もしチャンスがやってきた時どんな決定をすべきかを、妄想にならないレベルで考える習慣をつけようかな。
個人の判断基準とグループでの判断基準の違いについては、あらためて考えさせられた。もちろんグループでの判断基準の方が難しい。結局その場の結論では、役割と責任が明確であるべき。決める内容によっては、「何を決めるか」よりも「誰が決めるか」を決めた方が手っ取り早いことがある。例えばデザインなど好みの問題の時など。また、理念やルールがあった方がよいというのも、一致した意見だった。




































