知人のKさんが東京から来るということで、初めて飲むことになった。最初だから出しゃばらずにお店は任せようと思いつつ、時間ギリギリにダッシュで待ち合わせ場所に駆け込み、頭が真っ白なところに、「どっかいいとこない?」


こういう時に限って、かろうじて思い出した3軒も、電話をしたら全ていっぱいだった。こんな場合は、たいがい適当なところに入って、たいしたことない料理と酒に、たいした対価を払うことが多い。仕方ない、と腹をくくりエレベーターを降りた時に、そのフロアにちょうど以前から目をつけていた店があったのを思い出す。


迎えてくれたスタッフに良い席をリクエストしたら、90度に座って一番夜景がくっきり見えるカップルシートに案内してくれた。「オッサン同士でもったいないよね!」と笑い飛ばしながらスタート。


メニューを見るが、さすがに客単価は高い。すると当日でも頼める飲み放題のコースがあり、クーポンも使えると。迷わずこれをオーダーする。話に夢中になって全然写真が撮れていないが、「シンガポール Crab Dinner Set」は以下の内容。


・サーモンのカルパッチョ
・海老とビーフンのサラダ
・鶏手羽先のスパイシーグリル

・チリクラブ(名物!)

・揚げパン

・チャウクワィティー(シンガポールの屋台焼きビーフン)

・ホームメイドアイスクリーム


Life is good but not fair at all


チリクラブを食べる時は、このような可愛いエプロンをする。男同士首から下の写真を撮り合う。考えることは同じだ。(笑)カニは可食部もそれほどなく、日本のカニの繊細な風味に馴染んでいると、どうも大雑把に感じてしまう。しかし、ソースはスパイシーで美味しかった。全部平らげてしまった。



Life is good but not fair at all



飲み放題のワインもチリ産でなかなかいけたし、シンガポールスリングなんかも飲ませて頂いた。給仕のTさんは、テキパキとオーダーをさばきつつ、僕らが振る他愛ない話題にも、爽やかな笑顔で対応してくれた。



美味しい料理と美味しいお酒、楽しい相手と楽しいおしゃべり、落ちついたムードと心行き届いた接客、これらが渾然一体となると、幸せな時間はあっという間に過ぎ去ってしまうのが必然である。





















サントリー山崎蒸溜所で、ホワイトデー期間限定開催のセミナーで、ウイスキー工場見学後、ウイスキーをテイスティングしつつ、ショコラとのマリアージュを体験する会。「マリアージュ」って結婚のフランス語?と思ってたら、まさしくその通りで、要はチョコをおつまみにして、ウイスキーを飲むってことです。


今回ご縁があり、Aさんの総勢6名のパーティーに参加させて頂いた。僕は、工場見学は2回目だったが、忘れていたことも結構あったし、マリアージュの前の前座としては悪くない内容と時間だった。



Life is good but not fair at all Life is good but not fair at all



前回工場見学した時は、水割りに人が殺到して、グビグビ飲み干す強者どもに圧倒されたのだが、今回はそれぞれのテーブルにセッティングされており、マイペースで味わえるようになっていた。グラスにはちゃんとしっかりしたフタがされており、開けたとたんに香りが味わえるようになっていた。


今回のウイスキーとショコラの組み合わせは以下の通り。

「山崎」 ⇔ 枇杷(枇杷の優しい味わいが楽しめるショコラ)

「山崎12年」 ⇔ ノワ ド ココ(ココナッツ味のクリームガナッシュ)

「山崎18年」 ⇔ マロン(栗のやわらかいクリームガナッシュ)

「白州12年」 ⇔ カフェ(深煎りコーヒーの味わい)



Life is good but not fair at all




まず、「山崎」と枇杷のショコラ。ウイスキーの香りを嗅いだ後口に含む。なかなか美味しい。しかし、前のパワポの解説では、ウイスキーのテイスティングで使われる様々な形容詞が紹介されており、自分の子供レベルのボキャブラリーが恥ずかしくもあるのだが、ここでは背伸びはしない。確かにチョコと一緒だと、ストレートでも美味しく頂ける。


テーブルでは仲間と「これだけでも十分美味しいけど、きっと露払い程度だよ。じゃないと、12年や18年で値段が跳ね上がる値打ちがないよねぇ」など軽口を叩き合いながら、気分も盛り上がる。


いよいよ「山崎12年」、香りだけでもヒリヒリと鼻に好き刺さる感じがする。口に含むと、ジンジンと口の中に余韻が残る。そこにチョコを頂くと、甘みが口に中に残るヒリヒリさと調和する。僕はメモにSustainと走り書きした。ちょうどオルガンやギターで音を引っ張るような余韻とピッタリ重なる。



悦楽に浸る間もなく、インストラクターから次を急かされるが、初めて頂く「山崎18年」。ところが意外とまろやか。もっと荒々しい野性味を想像していたのだが、これは好みが別れると思う。

そして、「白州12年」。山崎とはまったく性格が違う。ラフロイグを思わせるスモーキーな味わい。こちらも結構好きだ。

Life is good but not fair at all



テイスティングの量は15ml程度だろうか、物足りなく思いつつ全部平らげると、結構いい気持ちになる。最後に、「山崎12年」でハイボールを作って飲めと。悪い冗談かと思いつつ、2/3はウイスキーを残す。

同席したYさんが、「ハイボールはできたてホヤホヤを飲むと味が違うのよ!」と力説する確かに贅沢なハイボールで結構美味しいが、やっぱりもったいない。残りはストレートで頂く。


そこでうれしい誤算だが、Yさん親子はウイスキーが飲みきれなかったので、「酒の一滴は血の一滴ですから」と、僕が残らず飲み干させて頂いた。幸せを噛み締めながら、それだけでは足りず、テイスティングカウンターで、ビンテージものを味わって帰ったのだった。僕のお気に入りは、「山崎12年」でしたね。




何名もの尊敬する知人がフェイスブックやブログで絶賛していたダイアログ・イン・ザ・ダーク。基本的に東京でしか体験できないこのイベントが、神戸で5日間限定開催されると知ったのも、友人のフェイスブック。取りあえず速攻で申し込み、僕は中2の長男と参加することにした。



ダイアログ・イン・ザ・ダークの概要は、以下リンクでも確認できますが、ざっと要約してみます。

http://www.dialoginthedark.com/


Life is good but not fair at all

8人の参加者は、完全に光が遮断された真っ暗闇の空間で、様々な体験をします。それをサポートしてくれるのが、視覚障害者の方。まったく目が見えない状態の中で、参加者は何を感じ何に気付くのか。このイベントは、1988年にドイツで生まれ、世界 30か国・約130都市で開催されています。日本では199911月に初開催、現在は東京で常時開催中です。


参加者8人の内うち残り6名は、男性1名女性2名がアラサーくらい、女性3名がアラフィフくらいな感じか。一応暗闇に入る前に簡単な自己紹介をしただけだったので、参加者の名前と顔は最後までほとんど一致しないままだった。でも、目が見えない状態では、頼らざるを得ない、信頼せざるを得ないというのが不思議に感じた点だった。


今回アテンドして頂いた視覚障害者の方はKさんという男性。ハキハキ感じよく話され、終始信頼でき安心できる方だった。暗闇でのイベントのところどころで、「時間はどうやって知るのですか?」、「自動販売機で買う時困りませんか?」など、参加者の方が色々と質問したのだが、丁寧に答えてくれていた。


最初、参加者にはそれぞれ白杖を渡される。これが暗闇の中でいかに平静さを保ち、自分の身の安全を守れるのかというのが、終始体感できた点である。参加者の中でひとりだけ、このヒトだとわかるほど、杖のつき方が乱暴でテンポが激しい者がいた。恥ずかしながら息子である。人生経験の差なのだろうな。さすが、他の参加者は、他人を気遣いながら杖を使えるオトナばかりだった。


暗闇の中で移動しながら、声を掛け合い協力し合い、会場に設置されていた様々なものに触れたり感じたりしながら、プログラムは進んでいき、最後は輪になって座りお菓子とジュースを頂いて終了した。


あっという間の1時間で、正直思ったほどサプライズや意外感は無かったと思う。というより、いきなり目が見えない状況に置かれても、その状況をありのままに受け入れ、淡々とこなせたことが、驚きだった。それはヒトとつながっているという安心感からだったのだろうか。


今回はショーケース版ということで60分だったが、本来の90分バージョンも体験したいと思った。いずれにせよ参加メンバーも大事な要素だと思う。僕らの直後のパーティーは若者のグループだと思うけど、やたら騒々しかった。知り合い同士お化け屋敷に来たような感じでテンションが上ったのかも知れないが、僕らのパーティーの話し声さえ聴こえづらくなり、迷惑で興ざめだった。心を落ち着けて、考え、感じ、内省して欲しいプログラムだと思うし、だからこそ参加する価値があると思う。




Life is good but not fair at all




























最近Q社におじゃまする機会が多いのだが、待ち時間の散策やアフターの企画などで辺りを調べるうちに、近辺が豊かな漁場というか、かなりコスパに優れたいい店が多いことがわかった。でもQ社の方々は、日頃会社周辺で宴席を持つ機会がほとんどないとかで、この店もまだ未体験らしい。もちろん「灯台下暗しですねぇ」など上から目線で語るつもりなど毛頭なく、地元を荒らして申し訳ないと思いつつ、ご参考になればと控えめに紹介したいのです。


この日もディープな打ち合わせが終わり、参加者ヘトヘトで帰途につく中、自営業の親友Sさんに、今日が2回目のこの店に付き合ってもらった。僕がこの店を気に入っている理由は、肉の美味しさはもちろん、焼肉につきもののアルコール類が安いので、肉はそれなりの値段でもコスパがいいのだ。「量より質でリーズナブルに」というニーズにはピッタリだと思う。


コース料金は、肉が4,200円なのだが、飲み物はなんと1h100円で飲み放題!打ち合わせが終わるのはいつも21時過ぎになるので、短期決戦で美味しいものをグビッと酒をあおりながらのニーズにはピッタリだった。


Life is good but not fair at all

グランドルールとして、肉は均等割で自分の食べる分だけ焼くを徹底した。マイペースで赤ワインを味わいながらお肉を味わう。特に絶品が幻のハラミ。こんな柔らかく脂っこくなく芳醇なお肉はなかなか味わえない。赤ワインはカリフォルニア産で、お肉に合うやつを厳選したのだとか、確かに飲み放題の割りには十分イケる。


Life is good but not fair at all


メニュー

●キムチ盛合せ    ●塩タン

●旬感野菜焼     ●幻のハラミ   

●骨付きカルビ    ●佐賀牛霜降りロース

●宮崎地鶏      ●ホルモン盛り合わせ

●御飯 


Life is good but not fair at all

☆★チャレンジングなファシリテーションイベント



あるファシリテーションのイベントに、途中からだけど、主にロジスティクス面の準備と運営に関わることになった。このイベントの企画コンセプトは、今までにないことをやる、何が起こるかわからないライブ感を大事にする。


具体的には、冒頭に230人を超える参加者が一堂に会して、対談を聞く。コミュニティデザインで有名なYさんと、某グローバル企業でコスト削減プロジェクトを成功に導いたIさんのゲスト2人の「Change」をテーマにしたガチンコ対談。



ここからがファシリテーションらしいのだが、この対談をファシリテーション・グラフィックのプロ3名が模造紙に次々と記録する。対談後に、ゲストが模造紙を見ながら、テーマとなるキーワードを7つ抽出。参加者はそれらのキーワードをテーマとするワークショップの中から、希望するものに参加する。


もちろんファシリテーター役は事前に決まっていたのだが、何がテーマになるのかは、当日その場で決まる。そしてファシリテーター達は、昼食休憩の40分程度で、ワークショップのデザインをしなければならない。相当チャレンジング、いや、ムチャ振り的とも言える企画だったと思う。



僕は残念ながら、対談もワークショップもしっかり見る余裕がなかったので、運営側として学んだことや感じたことを書きたいと思う。


☆★ロジのスタッフとして準備作業に関わる


まず、この企画はロジ担当者には信じられない前提がてんこ盛りだった。会場は研修会場ではなく、巨大なイベントホール。もちろん、研修や会議スペースのように、備品や気の利いたサービスなどは一切ないし、普段使われているから、下見も十分できていない。ホールやギャラリーなど大きい器はパーティションで区切るだけ。どれだけ音が反響するか、声が通るかも出たとこ勝負。ステージやイス机の設営から、全部セルフでやらなければならない。



僕は今回、本番3ヵ月前くらいの中盤戦から参加したのだが、ちょうどその頃、企画コンセプトを手がけ、実質的な中心人物だったSさんが諸般の事情で参加できなくなってしまった。そんなこんなで、結局終盤戦は、会議などに参加できていたのは6名のみという少人数。



☆★若い2人のリーダーシップ



結局僕は、ひと回り年下の女性2人をサポートすることになった。Tさんが統括、Kさんが僕の直属のロジ担当、2人のキャラの違いが絶妙に補完し合いながら、リーダーシップが機能していたと思う。


僕は文句言いですぐにへそを曲げる性格だし、指示されたこともギリギリまでやらない。メールの内容など1週間もすれば7割は忘れている。こんなおっさんは、周りも使いづらかったに違いない。でも、だからこそ彼女たちのリーダーとしての経験値も上がったのだと勝手に思うようにしているのだけども。



でもそれなりに僕が意識したことは、2人が勢いを失わないように影ながらサポートすること。人生の先輩面してモノ言い気味なのをググっとこらえ、魚を食べた時に骨がなかったんだと後から気付くように、さりげなく小骨を抜いているように、要はフォロワーとしていい仕事をしたいと。


☆★本番前夜の事件


さて、僕にとっての事件は、イベント前日の準備中に起こった。一応頭の中では段取りは考えていたが、如何せん現場で出たとこ勝負の要素が強かったので、仕方ないと思っていたのだが、案の定準備段階で想定外が続出し、指揮命令系統が混乱してしまった。特にリーダーのTさんやKさんが、他のトラブルにかかりきりになった時、自分は彼女らの指示や許可がなければ動けないことに気付いた。



ボランティアの人々が手持ち無沙汰になるのが目立つようになり、気まずさが募ってくる。フォロワー根性も会議室ではそれなりに生息できても、混乱した現場では、「役立たずのタマなしくそったれ」(Fucking Dickless Ashholes)とスティーブ・ジョブズに怒鳴られても文句は言えない体たらくである。


その日はボランティアの方々に申し訳ないやら情けないやらで、久々に泣きたい気持ちで一杯だったが、救いはボランティアの方々が自律的に動いてくれて、僕らスタッフが考えもつかなかったほど、行き届いた設営を完成してくれたことだった。優秀なフォロワーはアホなリーダー(僕のこと)を補って余りあるのだと改めて思い知らされた。



結局その日は準備が終わったのは夜9時過ぎだったが、翌日万全のスタートを切るために、サイゼリアで終電間際まで詰めの打ち合わせ。翌日朝5時起きで体力的に結構辛かったのだけど、もうやるしかないと、自分自身に往復ビンタをした気持ちだった。


☆★いよいよ当日


本番にあたって自分が腹をくくったことは、自分の役割はイベントを成功させることで、そのためにリーダーをサポートするのだけど、リーダーが判断できない現場では、自分が決める。「責任は取る。文句あっか!」と自分が決断する、という覚悟で仕事をした。自分のパフォーマンスの評価は自分ではできないけれど、



結果的には、確かに多くの想定外があったけど、それはいい方向に転んだものが多かったと思う。僕が見る限り、苦労していたグループもあったみたいだったけど、総じて参加者の満足は高く楽しんでおられるように見えた。それは、ファシリテーターの力量もさることながら、ファシリテーションのスキルや技法が多くの人に共有され根付いてきているから、これだけ過酷な条件でも、すべてのグループが場を作れたのではないかと感じた。




☆★気付き、学び、感謝



僕はリーダーシップを学んでいることもあり、ついそっちを中心に書いてしまうけど、今回リーダーも含めたスタッフ6名と仕事できたことは、すばらしい経験だったし、メンバーには感謝の気持ちで一杯である。おそらく同じメンバーだけで一緒に仕事することは、もうないだろうし、そう思うとすごく感傷的になってしまう。


2人のリーダーシップを何故機能したかを考えてみると、もし彼女らに頭ごなしに指図されていたら、僕もへそを曲げていたと思う。特にお金をもらっているわけでもない、ボランティアである。ただ、ファシリテーションを普及させるという組織の理念、そして今回のイベントのコンセプトとチャレンジングな精神が、腹に落ちていたこと、彼女ら2人が一番汗をかいて、背中で引っ張っていくような形だったことが大きかったと思う。



謙虚かつ前向きな2人は、終了後もリーダーシップについて反省の弁が結構あった。でも、細かいマインドやスキルは、これからの経験でナンボでも身につくの。もし2人から今後、また手伝ってと頼まれたら、喜んで引き受けると思う。こんなフォロワーがいるだけでも、若い2人には誇りに思ってよい成果だったと思う。と言うより僕も負けてられないし。(笑)






Life is good but not fair at all













Life is good but not fair at all









同じ店を2回紹介するのもどうかと思ったのだけど、前回行った時にに目ざとく見つけた、特別コースを紹介します。



メニューを見れば焼カキが5粒、蒸しカキが2粒、ソテーが2粒、フライが2粒、バター煮が2粒、生カキが3粒。なんと!これが一人分の量、それにカキ入りの酒粕鍋がついて3,000円、飲み放題が1,500円の驚きのコスパ。






異業種交流の仲間5名が気合を入れて集合。全員が揃うまで乾杯の予行練習をすることになったのだけど、特別メニューでこのシメ鯖が100円。「嘘だろ?」と言いながら盛り上がり、本編を待つ。



Life is good but not fair at all



実はこのコースは、屋外のテントで炭火焼きをしながらセルフでカキを焼く。確かに寒いけど、ストーブと炭火があるし、またカキがハネるのを防ぐ意味でも、ジャンパーを貸し出してくれる。それが全員お揃いのコスプレ的一体感が出て、とてもいいムードで宴が進む。



Life is good but not fair at all


そして、この生カキ!ひとり3粒なのだが、一粒ずつ産地が違うカキ。飲み放題の白ワインもスペイン産の辛口で悪くない。



Life is good but not fair at all


料理が出るたびにメンバーの「スゴイ!」という歓声があがり、全員ハイテンションのまま大満足で平らげた。実はメンバーのSさんが、最初の方で会社の宴会を予約したのだけど、帰り際に予約を取り消す。「ここはわたしの隠れ家にする!」わかるわかる、その気持。


Life is good but not fair at all


この記事を、出産を控えた友人Yさんに捧げます。元気な子を産んで、またみんなでこのコースを楽しみましょう。

Life is good but not fair at all

They Might Be Giants - No!


They Might Be Giantsは、Apollo 18 (1992)から聴き始めた。その後、 John Henry (1994) Factory Showroom (1996)Mink Car (2001)とリリースされたアルバムは、どれポップながらも独特の個性がありすごく気に入っていた。でも、いかんせんクセがあり過ぎて、ヒットチャートを賑わせるようなグループでないことは、当然とも言えた。

2002の新作は、突如大胆に子供向け音楽に舵をきり、PCで再生されることを前提としたユニークなフラッシュムービーとともに届けられた。我が家でもこのアルバムは、音楽をプレーヤーで聴くのではなく、フラッシュムービーで子供が遊ぶのを聴いていた。


フラッシュムービーは、下のメニュー画面から13曲好きなものを再生できる。それぞれ曲に合わせて字幕が流れ、アニメーションをマウスでクリックして遊ぶことができる。さすがに全曲紹介することはできないけど、いくつかお気に入りのものを紹介したい。


Life is good but not fair at all



僕の一番のお気に入りはRobot Parade 。マウスで小さなロボットをクリックすると、旗が揺れたり、空中に飛び出しパラシュートでおりてくる。大きなロボットは、頭、手、足を動かすことができる。ボーカルのエフェクトとキーボードが、未来的な雰囲気を醸し出し、ロボットの可愛さと絶妙にマッチしている。



Life is good but not fair at all



子どもたちのお気に入りが、The House at the Top of the Tree。巨大ねずみが家を支える木を食べており、家の崩落を防ぐためには、車に乗った犬が運んでくるポテトチップスを、ネズミに食べささなくてはならない。フォークっぽい曲調と、キャラクターの可愛さが、すごく子供受けするのだろう。



Life is good but not fair at all



このあとディズニーと契約し、子供向けのすばらしい音楽と映像作品をいくつか生み出すことになる。しかし、残念ながら他のディズニー作品と比べると雲泥の浸透度だったと思う。たとえ子供向けの曲を作っても、良くも悪くも彼らの個性は色濃くでるし、それは僕が大好きな理由でもあるのだけど。いずれにせよ、彼らの子供向け作品集は、その時の流行で忘れ去られるにはあまりにも惜しい傑作である。