幻想小説とは何か | DVD放浪記

幻想小説とは何か

平凡社ライブラリーから『幻想小説とは何か 三島由紀夫怪異小品集』のキンドル本が出ているのを見てオヤと思った。

 

 

 

幻想小説とは何か (平凡社ライブラリー906)

 

 

 

三島由紀夫について語る本の電子書籍版はいくらでもあるけれど、彼自身の作品は、少なくとも国内では、これまで紙の書籍のみに限定されてはいなかったか?! 私の勘違いだったのか……(^^;

安部公房もいつのまにか…

 

幻想小説とは何か 三島由紀夫怪異小品集

 

目次 

Ⅰ 幻想と怪奇に魅せられて──小説篇 
仲 間 

朝 顔 

卵 

緑色の夜 

鵲 

花山院 

黒島の王の物語の一場面 

伝 説 

檜扇──友待雪物語之内 第一部 

Ⅱ 王朝夢幻、鏡花の縁──戯曲篇 
屍人と宝 
一幕の詩劇 
あやめ 
狐会菊有明 

Ⅲ 澁澤龍彥とともに──対談・書評・書簡篇 
鏡花の魅力 
タルホの世界 
澁澤龍彥氏のこと 
現代偏奇館──澁澤龍彥「犬狼都市」「神聖受胎」 
デカダンスの聖書──ユイスマン著 澁澤龍彥訳「さかしま」 
澁澤龍彥訳「マルキ・ド・サド選集」序 
人間理性と悪──マルキ・ド・サド著 澁澤龍彥訳「悲惨物語」 
恐しいほど明晰な伝記──澁澤龍彥著「サド侯爵の生涯」 
「サド侯爵夫人」について 
澁澤龍彥宛書簡集 

Ⅳ 怪奇幻想文学入門──評論篇 
本のことなど──主に中等科の学生へ 
雨月物語について 
柳田國男「遠野物語」──名著再発見 
無 題(塔晶夫著「虚無への供物」広告文) 
稲垣足穂頌 
解 説(「日本の文学4 尾崎紅葉・泉鏡花」) 
解 説(「日本の文学34 内田百閒・牧野信一・稲垣足穂」) 
二種類のお手本──『文章読本』第三章より 
小説とは何か 

収録作品初出一覧 
編者解説  東雅夫 

 

 

いま私はこの本の目次情報しか見ていないけれど、最後にある「小説とは何か」がノーカット版だとするなら、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』に対する称揚「私の読んだおよそ百篇に余るSFのうち、随一の傑作と呼んで憚らないものである」が読めるはずだ。

 

ちなみに、三島の “誤読” 部分を指摘した沼昭三のことを「SFマガジン」誌上のコラム欄でいち早く紹介したのが評論家の石川喬司だった。このあたりに興味がおありの方は、光文社古典新訳文庫版の解説などをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

なお、当初新潮社の『波』に連載されていたこの「小説とは何か」は中公文庫の『小説読本』にも収録されている。

 

 

 

 

 

 

しかし、外国語なら『金閣寺』などは電子書籍化されているのかぁ……(^^;