
幻想小説とは何か
平凡社ライブラリーから『幻想小説とは何か 三島由紀夫怪異小品集』のキンドル本が出ているのを見てオヤと思った。
三島由紀夫について語る本の電子書籍版はいくらでもあるけれど、彼自身の作品は、少なくとも国内では、これまで紙の書籍のみに限定されてはいなかったか?! 私の勘違いだったのか……(^^;
幻想小説とは何か 三島由紀夫怪異小品集
目次
Ⅰ 幻想と怪奇に魅せられて──小説篇
仲 間朝 顔
卵
緑色の夜
鵲
花山院
黒島の王の物語の一場面
伝 説
檜扇──友待雪物語之内 第一部
Ⅱ 王朝夢幻、鏡花の縁──戯曲篇
屍人と宝
一幕の詩劇
あやめ
狐会菊有明
Ⅲ 澁澤龍彥とともに──対談・書評・書簡篇
鏡花の魅力
タルホの世界
澁澤龍彥氏のこと
現代偏奇館──澁澤龍彥「犬狼都市」「神聖受胎」
デカダンスの聖書──ユイスマン著 澁澤龍彥訳「さかしま」
澁澤龍彥訳「マルキ・ド・サド選集」序
人間理性と悪──マルキ・ド・サド著 澁澤龍彥訳「悲惨物語」
恐しいほど明晰な伝記──澁澤龍彥著「サド侯爵の生涯」
「サド侯爵夫人」について
澁澤龍彥宛書簡集
Ⅳ 怪奇幻想文学入門──評論篇
本のことなど──主に中等科の学生へ
雨月物語について
柳田國男「遠野物語」──名著再発見
無 題(塔晶夫著「虚無への供物」広告文)
稲垣足穂頌
解 説(「日本の文学4 尾崎紅葉・泉鏡花」)
解 説(「日本の文学34 内田百閒・牧野信一・稲垣足穂」)
二種類のお手本──『文章読本』第三章より
小説とは何か
収録作品初出一覧
編者解説 東雅夫
いま私はこの本の目次情報しか見ていないけれど、最後にある「小説とは何か」がノーカット版だとするなら、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』に対する称揚「私の読んだおよそ百篇に余るSFのうち、随一の傑作と呼んで憚らないものである」が読めるはずだ。
ちなみに、三島の “誤読” 部分を指摘した沼昭三のことを「SFマガジン」誌上のコラム欄でいち早く紹介したのが評論家の石川喬司だった。このあたりに興味がおありの方は、光文社古典新訳文庫版の解説などをご覧ください。
なお、当初新潮社の『波』に連載されていたこの「小説とは何か」は中公文庫の『小説読本』にも収録されている。
しかし、外国語なら『金閣寺』などは電子書籍化されているのかぁ……(^^;






