The Immigrant
昔通っていた英会話学校で、アメリカ文化を学ぶという趣旨の講座があり、そのなかで、洋楽の歌詞を聴き取る授業があった。
その日は、生徒全員が初めて聴く曲だった。
女性らしいのびやかな明るい歌声で、海外からの移民を受け入れてきたアメリカのことを歌ったものらしい。
ひととおり曲を聴き、ディクテーションを終えたところで先生(アメリカ人男性)が質問してきた。「この曲のタイトルは何だと思う?」
ふだんから最初の回答者になることを常に避け続けてきていた私が、このときばかりはシメタと思って手をあげ、“Golden Door?” と答えた。(^^;
なぜそのフレーズが思い浮かんだのかというと、一般的にはSF作家として知られるアイザック・アシモフが執筆したアメリカ史のなかに The Golden Door というタイトルの本があって、ちょっと調べてみたことがあったからだ。
私が今使っている電子辞書(CASIO XD-G20000)に収録された『リーダーズ英和辞典/リーダーズ・プラス』にはこう記されている。
[P] Golden Door
n. [the ~]米国への移住の門, ゴールデンドア《前途が希望にあふれていることから;自由の女神(Statute of Liberty)の台座に刻まれた Emma Lazarus のソネット ‘The New Colossus’ の最終行に ‘I lift my lamp beside the golden door!’ とある》
ちなみに、上記説明にある ‘Statute’ は Statue の間違いではないかと思う(最新版では修正済みか?)。でなければ、下に掲げる本の表紙のタイトルが間違っているのか? (^^;
ただ、研究社の『リーダーズ英和辞典/リーダーズ・プラス』が、百科事項にもめっぽう強い英和辞典であることに変わりはない。
◆ たとえば……
※
英会話学校の話に戻る。(^^;
私の答はハズレだった。「“Golden Door?” は XXXX すぎる」というのだ。残念ながら、XXXX が何という形容詞だったか、今となってはもう思い出せない! (T-T)
正解は The Immigrant。なんというド直球! それはNeil Sedaka の歌だった( てっきり女性の声だと思い込んでいたのだが)。 (^^;
◆ 字幕内の clear は sweet
夢と希望の新天地を求めて、海外から多くの人々がやってくる国、アメリカ。その輝かしさをたたえるポジティブな歌かと思いきや……それはもう過去の話だというのか? 今は違うのか?
先生によると、この曲は、あのジョン・レノンに捧げられたものだったという。 (@@;
ビートルズ解散後、ソロとなったジョン・レノンの “左翼的言動” とその楽曲は、映画「いちご白書」における彼の Give Peace a Chance の描かれ方などにみられるように、ベトナム反戦運動渦巻くアメリカに大きな影響を与えていた。
それが時のニクソン政権の不興を買い、過去の英国における大麻所持を理由に、彼をアメリカから追放する手続きが進められつつあり、その苦境にある彼に捧げられたのが、ニール・セダカの The Immigrant だったのだ。
ジョン・レノンについては、私なんかがくだくだしく述べるより、この点に詳しい方のブログを……とウロウロ探してみたのだけれど、エエイッ、近場で済ませてしまえっ!
◆ ニール・セダカ本人の弁
それにしても、ニール・セダカで私が知っていたのは以下の能天気な2曲だけだった。まあ、どちらも嫌いじゃないけれど。(^^;
そして、ジョン・レノンの一件は特殊なレアケースとして終わったのだろうか?