2024年度 NHKラジオ英語講座:すべりだし雑感 | DVD放浪記

2024年度 NHKラジオ英語講座:すべりだし雑感

GWの時期は、NHKラジオの語学講座で早くも落ちこぼれかけている私のために、天上より下されてきた一筋の蜘蛛の糸であった。実は、例年この1週間は、多くの講座で前の週の再放送が行われているのだ! しかし、そのGWもあっという間に過ぎ去り、またもや尻に火がついた状態である。 (^^; 

 

ということで、現実逃避を決め込み、各種英語講座をざっと見直しておきたい。ただし、テレビのほうはまったく見ていないのでスルーだ。

 

 

【 注意!】

 

これは、ボケジジイの私が最近になって趣味で聴き始めたNHKラジオの英語講座について素朴な感想を記したものであって、“だれにも効果的な英語学習法” として同講座を推奨しているものではありません。 <(_ _)>

 

 

各講座は「NHK 英語グランドデザイン」なるものに沿ってレベルごとに置かれているが、私は、無謀にも「小学生の基礎英語」「中学生の基礎英語 レベル1」「中学生の基礎英語 レベル2」はパスしている。(^^;

グランドデザイン?

 

 

 

 

中高生の基礎英語 in English 

 

 

 

 

ほぼ “オール・イングリッシュ” を貫く方針を堅持した貴重な講座。学校で “オール・イングリッシュ” の授業をしたらこうなるのかなと思わせる内容となっている。

あれも “オール・イングリッシュ (仮)” だったのか ?

 

テキストでも日本語を排し、学習用の英文スキットはもちろん、講師やアシスタント、生徒役の日本人女性、週替わりのゲストスピーカーらが話すすべての英語が活字に起こされている(ただ、以前から要望のあったスキットの日本語訳だけは巻末に掲載されるようになった)。

 

現状の英語教師の教職課程・研修制度がどうなっているのか知らないけれど、“スピーキングにも堪能なスーパー英語教師” をかんたんに大量養成できるとは思えないので、補完策としてこうした番組をうまく学校授業のなかに取り込むことはできないんだろうか?

 

そうそう、ここ数年試行錯誤を重ねてきた日本人生徒役には、野郎どもに見切りをつけ、住田萌乃が抜擢された。積極的にレッスンに取り組む彼女の姿勢は好感が持てる。

住田萌乃?

 

 

ラジオ英会話

 

 

 

 

おそらく、NHKの英語学習もののうち最もリスナー数が多そうな講座で、歴代の講師にはそれぞれ熱心なファンがいたものだけれど、現在の大西泰斗講師については “熱烈なアンチ” の存在もかいま見える。

 

毎月のテキストごとにアマゾンのカスタマーレビューを見ると、発売とほぼ同時に講座や大西講師に対する否定的なコメントが集中し、その後肯定的なレビューが増えてくるパターンが繰り返されている。

 (^^;

 

各レッスン冒頭のおやじギャグは今期も健在で、これも嫌われる理由のひとつか。ただし、このギャグコーナーのかけ合いにはときに高度な(?)ヒネリが埋め込まれていたり、My bad! のような、本来の学習用英文にはあまり出てこない表現が飛び出すこともあるようなので、無下に聞き流すわけにはいかない(ときもある(^^;)。

 

しょっぱなからここまで “大西文法用語” 全開で進んでいて、伝統的な文法用語に慣れ親しんだ私のような前世紀の人間には煩わしく感じられる面もあるけれど、21世紀の学校の授業では、もはやこれがデファクト・スタンダードなんだろうか?

 

 

 

 

 

ボキャブライダー

 

今期は2023年度の再放送。毎回4つの英単語を4つの例文で学ぶ、たった5分のミニ講座だけれど、私はけっこう気に入っている。たとえば、emerge という単語なら、こんな例文が紹介されている。

 

Put your eyes out of focus, and you should be able to see a 3D image emerge.
両目の焦点をぼかすと、3D画像が浮かび上がるのが見えるはず。

 

ターゲットとなる emerge の使い方だけでなく、「両目の焦点をぼかすと」なんて表現も学べるわけだ。また、複数の例文のなかに他のターゲット語を盛り込む工夫もみられる。

 

さらに、マックスウェル・パワーズと桜田ひよりがラスト数十秒の残り時間で演じる他愛もないコント内のセリフにも、ちょっとした拾いものがあったり……というのはホメすぎか? (^^;

桜田ひより?

 

 

 

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ

 

 

 

 

毎回500語ほどのやさしい英語(カナダ出身の Daniel Stewart が執筆)で小説、エッセイ、童話などを読み上げる5分番組。ペーパーバックサイズの紙のテキスト(電子版もあり)は初級者用の英文多読・音読用として使えそう。

 

今年の新機軸は、“漫才二本立て”(Comedy Sketches)で、お笑いとしての出来は、まあアレだけれど、(^^;  時限爆弾処理とかソムリエ希望者の選別など、さまざまな非日常的状況設定が楽しい。また、カップラーメンとかカメラ付き携帯など、日本発のユニーク商品の誕生秘話をめぐるシリーズ(Japan's Top Inventions)も面白い。

 

MCは従来の関根麻里から、最近あちこちで露出が増えてきた森崎ウィン(スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー 1」などに出演)にバトンタッチ! 彼の締めのミニ・コメントは悪くないと思う。

森崎ウィン?

 

 

レディ・プレイヤー1(字幕版)

 

 

英会話タイムトライアル

 

 

 

 

“日常生活” でよく使われるのに、なかなかとっさには出てこない英語表現を紹介し、それを発話につなげる訓練に特化した10分番組。適宜さしはさまれるソレイシィ講師のアドバイスが、簡潔明快でありがたい。

 

見かけのコスパを考えると、テキストがお高く感じられるかもしれないけれど、自身に欠けている日常的な英語表現の補充と、(英会話学校に行かずに)自分自身に発話を促すきっかけと考えれば、結局はお安いのかも。

 

 

ニュースで学ぶ現代英語

 

今回いちばん様変わりした講座だろう。その予告編が昨年末のスペシャル番組だったわけだ。

予告編?

 

 

前期から続いての伊藤サム講師は新しいアシスタントのクリスティ・ウェストとともに月曜火曜を担当。残りの3日間を週替わりで、前嶋和宏大門小百合竹下隆一郎らが講師を務め、その3日通してのMC担当はトラウデン直美、アシスタントはトム・ケインという陣容である。月火の解説はやや英語学習寄り、水木金は各ニュースのトピック寄りといった印象。

 

アメリカ政治が専門の前嶋氏を語学講座に持ってくるなんて、ずいぶんもったいない使い方をするなと思わないでもないけれど、最初のふた月を聴いたところでは、今回のリニューアルの印象は悪くない。(前期からもその兆候があったけれど)アシスタントとの英語での対話が増えてきており、若干レベルが上がったような気がする。というより、私ひとりがズルズルとレベルダウンしているだけなのか……(^^ ;

 

紙のテキストはなく、ニュース英文とその和訳、解説等はすべてウェブ上に公開されている。ただ、番組中の会話すべての英文トランスクリプションがあるわけではない。というか、実は活字に起こされていないところにも “おいしいもの” があったりする。

 

 

ラジオビジネス英語

 

 

 

 

月火水がビジネス会話、木曜がEメールにチャット、金曜がゲストへのインタビューと、基本フォーマットに大きな変更はないけれど、前年のワインビジネスにまつわるスキットが不評だったか、(^^; 今期はひと月ごとに舞台設定を変えるらしい(4月はシリコンバレー、5月は国内電気メーカーなど)。

 

私自身はビジネスなどとは無縁な身の上だけれど、この講座は「ラジオ英会話」の延長線上にあるステップアップ編として受けとめている。

 

といったところで、ちょっと休憩。 (^^;