ドラマ雑感 2023年・夏
室内で冷房つけっぱなしで怠惰な日々を送るなか、この夏のドラマでオヤと思ったのは、松岡茉優と伊藤沙莉の主演ドラマが並んだこと。このふたりの掛け合いトークはめっちゃくちゃ楽しいのだ。(^-^)
ただ、今回どちらかひとつを選ぶなら、「最高の教師」だろう。
◆ 最高の教師 1年後、私は生徒に⬛された - 日本テレビ
卒業式の日に、担当クラスの生徒の誰かに高所から突き落とされ、これは死ぬと思った瞬間に1年前に “タイムリープ” したことなかれ教師が、自身の来しかたを振り返り、問題をかかえる生徒らに正面から全ベットで向き合っていく物語である。
並みのシリーズなら終盤近くのクライマックスかと思わせる演技を、初回エピソードで見せた芦田愛菜には驚いたけれど、その後も他のクラスメートらを単なるモブキャラではなく、個々に丁寧に掘り下げている点がいい(ただ、生徒らの長丁場のセリフの一部に “こなれない、かたい表現” が混入するのが残念!)。
張りつめた雰囲気で息苦しくなる面はあるものの、コメディ系のキャスティングで、笑わせるための大げさな演技をさせるような、安易な “コミック・リリーフ” を排しているのも好感が持てる。
ただ、オセロの駒のように徐々に黒が白に変わっていく単調な展開に、バカリズム印の「二周目?」ネタがどう絡んでいくのか気になるところではある。
メイクで塗り固めでもしたか(?)情緒に乏しく見える松岡茉優の表情の今後の変化(しないのか?)も見ものかもしれない。(^^;
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その「最高の教師」では当初起用が予定されていた柴咲コウがより若い松岡茉優に変更されたらしいが、鈴木京香の降板を受け、急遽「この素晴らしき世界」の主演を務めることになった若村麻由美は、平凡なパート主婦と彼女に激似の大女優との一人二役を手堅くこなしている。
◆ この素晴らしき世界 - フジテレビ
それにしても凡庸なストーリー……と思いきや、いろいろとフックや仰天サプライズが用意されている。当面風呂敷は広がる一方で、それらがどうたたまれていくのか興味津々であると今いまは言っておこう。(^^;
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好評らしい「シッコウ」は、裁判所直属の債権回収にあたる執行官に光を当てたドラマ。小川潤平の『執行官物語』が原作とあるけれど、これは未確認。織田裕二にそれほど思い入れのないバチあたりな私は、(^^; フツーの “お仕事ドラマ” として観ている。伊藤沙莉は、彼女以外のだれにでも交換可能と思われる役どころを、そつなくしっかり自分のものにしている。
◆ シッコウ!!~犬と私と執行官~|テレビ朝日
でも、あのドラマ内の喫茶店のナポリタン、食べてみたいなあ。(^^;
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大学出たてのふたりの若者が20万円の元手から1兆円獲得を目指す「トリリオンゲーム」は、マンガ原作をドラマ化した “成り上がり” おとぎ話。ツッコミどころは多々あるけれど、私はこれ嫌いじゃない。
◆ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』|TBSテレビ
原作の桐姫とは若干イメージがずれるけれど、「九州一の可愛い子」(^^; の今田美桜が頑張っているし、主役ふたりをサポートする凜々をイメージどおりに演じる福本莉子、それに、ヤバい出資者祁答院(吉川晃司)の秘書役を(原作から大きくイメチェンして?)演じている、セーラー服姿のあかせあかりらも悪くない! 男優陣も……ハイ。
「こっち向いてよ向井くん」は、マンガ原作の “波留おねーさんが赤楚英二くんに恋の手ほどきし・て・あ・げ・る(場合かよ⁉)” ドラマ。
◆ こっち向いてよ向井くん - 日本テレビ
どーでもいいけど、赤楚くん最近ドラマに出すぎじゃないか? 役者冥利に尽きるということかもしれないけれど、起用側も事務所側ももう少し考えたほーが良さげに思える。
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「警部補ダイマジン」も原作はマンガ。生田斗真、向井理、土屋太鳳に小澤征悦、高橋克実、松平健といった豪華メンバーをそろえ、監督が三池崇史と話題性は十分なのだが……(^^;
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そして、「CODEー願いの代償ー」は、人の願いを叶えてくれる(かわりに違法行為を強いられる)アプリをめぐる、坂口健太郎主演のドラマで、数々の suspension of disbelief を求められる筋立てになっている。
でも、松下奈緒や堀田真由らの女性陣を眺めているぶんには、そんなことは気にもならない。だから、染谷将太ジャマ! (^^;
う~ん、もっとオリジナル脚本ものに頑張ってもらいたいけどなぁ……。
えっ?「VIVANT」はどうなのかって?
この番組のファンの方には申し訳ないけれども、初回の演出のショボさに “失望落胆白髪三千丈アルよ” だった私としては、コメントを控えさせていただきます。 <(_ _)>
suspension of disbelief が求められるのはこっちのほうだったか……(^^;