フランス書市2023 ①:敵情視察 | DVD放浪記

フランス書市2023 ①:敵情視察

私は雨の日は書店には行かないようにしている。本の雨ぬれを避けたいのだ。
 
でも、セールともなれば話は違ってくる。(^^; 雨の日は人出が減って、ゆっくりと見てまわることが期待できそうだからだ。
 
 
 
 
 
というわけで、本日は、新宿の Books Kinokuniya Tokyo で開催中の夏のフランス書市へ!
 
現着2時! 英語の洋書市に比べるとさすがにこじんまりとしている。向こうの壁面の棚には日本のコミックの英語版がずらりと並んでいる。
 
 
 
 
 
 
そして、今回もおなじみの掲示。でも、これってフランス語でなくていいんだろうか? (^^;
 
 
 
 
 
 
 
ざっと見ただけだけれど、ペーパーバックの価格は660円、880円ぐらいが多そう(最低が440円か)。ハードカバーは880円以上からといった感じだと思う。
 
ぎっしり本が詰まった箱は、基本的に2段重ねはなく、背表紙のタイトルが見やすいのは助かる……なあんて、大学の第二外国語でフランス語を選択したはずなのに、頭のなかがすっかり白紙になっている私に認識できるのは、ポーやコナン・ドイルの短編を英仏対訳にして語句注を付けたものぐらいか。(^^;
 
 
 
 
 
 
もっとも、日本語関連の箱には、小説だけでなく MANGA の類いもあるのでホッとする。つげ義春の作品を集めた大部なハードカバーもあれば、新書サイズ(このあたりは660円)の『ドラえもん』『犬夜叉』などもあった。
 
 
 
 
 
 
ただ、ちょっと気になったのは田村由美の『ミステリと言う勿れ』の仏訳版のタイトルが “DON'T CALL IT MYSTERY” となっていたこと。自国語へのプライドがたかい国のはずなのに、これはいったいどうしたことだろうか? 
 
 

 

ミステリと言う勿れ(1) (フラワーコミックスα)

 

 
 
 
今どきの日本語のなかにあっての「言う勿れ」の目だち具合を、仏語に対する英語に求めたというわけでもないだろうに……このあたり詳しいお方からのご教示を勝手にお持ち申し上げております! <(_ _)>
 
その日本語の箱に隣り合わせて大判のコミックの棚があった。なかにはオーウェルの『1984年』をグラフィックノベル化した分厚いハードカバー(たしか1650円ぐらい?)なども置かれていた。
 
 
 
それから、別の島にベトナム書ドイツ書スペイン書イタリア書のミニコーナーが設けられていた。なかにはスペイン語版の『美味しんぼ』なども……(^^;
 
 
 
 
 
 
そこでビックリしたのは、柴田翔『されどわれらが日々』のドイツ語版があったこと。かなり地味めの作品といっていいと思うのだけれど……(^^;
 
 
 

 

 

 

 

 
彼にはゲーテの『ファウスト』の訳業もあるから、そのあたりも何かしら関係しているのだろうか?
 
 
ところで、ドイツ語を知らない私にどうしてそのタイトルが特定できたのか? 
 
フッフッフ、簡単なことだよ、ワトソン君。裏をひっくり返してみただけのことさ! (^^)
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで、若干の戦利品を手にした私は、建物の3階の連絡通路に出て代々木駅方面へ向かいかけた。今朝がた読み終えた、黒田龍之介の『ロシア語だけの青春』に記されていた、ロシア語学校ミールが入居していたビルを見にゆくつもりだったのだけれど、雨が強くなってきたのでこれは断念。屋根づたいに濡れずにすむ新宿駅南口まで戻って帰宅したのだった。
 
 

 

ロシア語だけの青春 (ちくま文庫 く-26-4)