お子ちゃまジジイ 銀行へ行く | DVD放浪記

お子ちゃまジジイ 銀行へ行く

時間が前後してしまうけれど、1月30日の午後、私は自分の顔がはっきり映るぐらいピッカピカに磨きあげた革靴を履いて、丸の内にある某大手銀行の支店に乗り込んだ。

 

いや、それは大ウソである。(^^;

 

ボロ靴を引きずる、みすぼらしい身なりの私が警備員に見とがめられなかったのは奇跡だったかもしれない。(^^; だが、別にローンの申し込みをしに来たわけではない。フロアの案内担当の女性に用向きを伝えると、私は、いちばん奥にある、“その他案件” 窓口へと誘導された。

 


 

 

大昔の話になるが、最初の勤務先で一時期複数の銀行と接する機会があり、私は某銀行で貸金庫を借りることになった。

 

その後、勤務先も居住地も変わり、新たな銀行支店との付き合いが増えるにつれ、貸金庫とその銀行の利用機会は激減し、次第に忘却の彼方に消えていってしまった。ただし、その間の料金は、同時に開設していた総合口座からずっと自動引き落としで支払われてきていたのだ。

 

その後、業界内での統廃合が急速に進むなか、その銀行も某メガバンクに呑み込まれていった。(^^;

 

近年になって、あちこちに散在していた銀行口座を整理するうちに貸金庫の存在が浮上し、それを解約しようとしたところで、急遽病気入院・通院生活が始まり、その手続きが頓挫してしまっていた。

 

という次第で、この日私は丸の内にあるこの銀行にやって来たのだ。

 

 

 

 

長期のブランクがあり、金庫の鍵と金庫室への入室カード、貸金庫と紐づいた口座の通帳とカードがなく、唯一口座開設時の印鑑のみ保持している状況では、(居住確認のため?)手続き書類の郵送など、長期戦になるであろうことは覚悟していた。

 

身分を証明するものとして健康保険証は必須として、私の場合、顔写真がある運転免許証パスポートマイナンバーカードの類は持ち合わせていないので、あらかじめ住民票だけは持参していったのだが……貸金庫だけでなく、それと紐づいた総合口座の解約、子ども銀行レベルの定期預金の解約・払い出し等々、気の遠くなるほどの書類に記入・捺印を行い、時間はかかったものの、その日のうちにすべての手続きが完了してしまった! その日担当してくれた女性行員の忍耐強さのおかげである。  (^^;

 

「私のようなケースは、もうほとんど残ってないんでしょうね?」

「いえ、実は、似たような方はまだけっこういらっしゃいますよ」

 

最後に、再発行されたカードで貸金庫のある部屋へ入室し、これまた再発行された鍵で自身の金庫を開け、そこからトレイを引き出したところで、付き添ってきた女性行員が、「別室でご覧になりますか?」と訊いてきた。もちろん、そんな必要はなかった。中が空であることを見せてから、私はトレイを彼女に手渡した。

 

 

 

 

3時を少し過ぎ、シャッターが降りた正面入り口横の小さなドアから銀行の外へ出た私は、もうプチ宝くじ(というか、スクラッチくじ?)にでも当たった気分になり、丸善4階の M&C Cafe であの “早矢仕ライス” でも食べてみようかと、近くの丸の内オアゾへ向かった……けれど、ここはやはり贅沢は自制し、“丸善の三階” で最後の半額クーポン(550円)を使うことにした。(^^;

 

 

でも、今回の埋蔵金発掘で、今年の神田古本まつりには参加できそうかな……。

 

“丸善の三階” からの夜景がきれいに見えた。