電車内で本を読む女性たち | DVD放浪記

電車内で本を読む女性たち

4月1日(木)

 

以下の話は、エープリルフールねたではなく落ちはない。念のため。(^^;

 

 

 

 

私が借りているトランクルームは、電車で4つ先の駅にある。このところ、毎日のように通っていて、この日も昼前に電車に乗り込んだ。車内の座席は半分くらいが埋まっていた。しばらくしてから、正面の女性が読んでいる本にかけられた書店の紙カバーに気がついた。それは東京堂書店のカバーで、益田ミリのイラストが描かれたものだった。

◆ 東京堂のオリジナル ブックカバー&しおり

◆ 東京堂書店

 

 

電車内で本を読む人は何度も見ているけれど、あの東京堂書店のカバーにお目にかかるのはこれが初めてだった。

 

読み手の女性は、アラフォーあたりか。目鼻立ちのすっきりした美女である。ということは化粧バッチリということか(←これは私の偏見による妄言)。膝の上にブランド不明のバッグを右手で抱え、その後ろに茶色の紙袋を置いている。ブランドやファッションにも疎い私が描写すると滑稽だろうが、ひざまでの丈になりそうな、大柄の男物の縦ストライプのワイシャツを着流しているように見える。下はジーンズで、編み上げの運動靴をはいている。昼近い時間帯だから主婦なのか。それとも、今日は休日の勤め人? ひょっとして接客業関連なのだろうかと妄想はどんどん広がる。(^^;

 

書籍の天にはハンコのようなものが押されていた。図書館から借りた本? いや、図書館から除籍される場合にはなんらかの印がつけられるだろうが、ちょっと感じが違う。よく見えないのだが、字数が3つ、4つといった感じだった。購入後に名前のゴム印を押す習慣のある人なのだろうか。それとも、やっぱり図書館本なのだろうか。

 

文庫ではなく、ソフトカバーでB6サイズの判型と思われ、それなりの厚さの本だ。小説というよりはエッセイ本か、あるいは自己啓発書の類か? もしかしたら、麻雀、競馬、デイトレード必勝法とか?

 

それにしても、東京堂書店である! あの神保町の東京堂で買ったものなのだろうか……(^^;

 

 

 

 

トランクルームからの帰り、私が座った正面の席には年輩の男性がいたが、彼は途中駅で下車し、今度は、白髪が目立つかなり年輩の女性がその席を占めた。眼鏡はかけておらず、しゃきっとした姿勢で壮健に見える。大きなマスクをして、首まわり全体をすっぽり覆うように黒地にグレーの混じったマフラーをゆったりと巻いている、黒いジャケットを羽織り、ジーンズで靴はスニーカー。上半身は黒系統でまとめ、濃いベージュ色のバッグを膝に置いている。この女性も本を読んでいた。カバーの類はつけずに裸のままで。それは英語のペーパーバックだった!

 

著者名は、Elizabeth StroutOlive, Again というタイトルの大判のペンギン・ブック版だった(今日現在、アマゾンの洋書カテゴリ内では、同じ水色の表紙のものは見当たらないようだ)。もう残り30ページぐらいだろうか。ゆっくりと、だが確実に英文を追っていることが窺われる。もしかして、翻訳業、編集業に携わっている人なのだろうか? 

 

 

 

 

私もたまには電車内で洋書を開くことがあるが、絶対カバーをかけている。まあ、たいていは、日本のコミックの英語版を読んでることが多いわけだが。 (^^;

 

 

 

4月2日(金)

 

今日もアパートとトランクルームを3往復する。

 

その初回の帰りの電車のなかで、優先席に座った私の正面にあたる席には、小学校高学年とおぼしき女の子とその母親らしき女性のふたり連れがいて、どちらも本を読んでいた。それも、同じ装丁のカバーの本を親子で読んでいるようなのだ。同じ本の上下巻なのか、シリーズものの別の本なのかは不明である。ふたりとも、帽子を目深にかぶり、視線を落としているので表情はさっぱりわからない。

 

でも、なんとなくほほえましい光景で、私に画力があるなら、アーディゾーニ風にスケッチしてみたくなってしまった。

エドワード・アーディゾーニ

◆ 2020入院 ⑤ キンドルで読んどる編

 

 

 

 

それにしても、車内の野郎どもは、学生も中年男もスマホばかり眺めている。いいのか、そんなことで! まあ、私もその野郎どものひとりか……(^^;