Who Is/Was... 女傑十選?
さあ、(誰も待っていない(^^;)お待ちかねの Who Is/Was...? シリーズキンドル版の廉価情報である[2020年03月07日現在]。
前回は、米国における黒人の地位向上に貢献した人々を中心にタイトルが選ばれていたけれど、今回は、女性の地位向上に力を注いだ女性たち+アルファといったラインアップである。
まずは、What Is the Women's Right Movement? 。これは、前半で米国における婦人参政権実現への道のりを、後半では、さらに男女の実質的平等の実現に向けた人々の動きをたどったもので、結果的に今回のセール品のガイド的な役割も果たしている。
米国建国前夜。当時は女性が結婚すると妻の財産はすべて夫に帰属することとなり、「法律上の死亡("a civil death")」を迎えることになっていた。これを疑問に思うアビゲイル・アダムスは、夫のジョン・アダムス(後の第2代大統領)に対して、新たに生まれる国家においては、より女性に配慮をするよう強く求め、参政権のない政体にいつか女性は反乱をおこすだろうと訴えていたという! そして、彼女の死後、女権拡張運動の長い道のりを経て、1920年の夏、婦人参政権を認める合衆国憲法修正条項が制定されたのだった。ただ、男女の差別は参政権の問題だけではなく、より深く社会全般に根ざしていており、女性の戦いはまだまだ続くのだった。
興味深いのは、婦人参政権を求める運動のなかにあっても、(特に南部の)白人女性のなかには、黒人女性とは「分離」を望む人々がいたことだろう。第二次世界大戦では、女性は後方支援で大いにその力を発揮し、黒人女性も多数参加したけれど、さまざまな形で差別が存在していたことが本書には記されている。
そして、戦後男たちが帰還してくると、彼らは一家の働き手として外に出て、女たちは家庭において妻なり母親として夫に尽くし子供を育てるという従来の役割分担が復活したわけだが、ここから大きなうねりがやってくる……というのが後半で扱われる内容である。
おそらくは、2016年にヒラリー・クリントンが大統領の座につくことを念頭に本書の企画が進んでいたのではないかと邪推するのだが、現実にはそうはならなかった。本書にはヒラリーのことばがいくつか紹介されていて、以下がそのひとつだ。
She said, “I know we have still not shattered that highest and hardest glass ceiling, but someday someone will, and hopefully sooner than we might think right now.”
本書を読み終えると、同シリーズ中の他の本も読みたくなってくるという仕掛けのようだ。(^^; 本書との関係でいうなら、スーザン・アンソニーとクララ・バートン。それ以外は傑出した功績を残した女性たちという位置づけか。キュリー夫人とマララ・ユスフザイは特別枠なのだろう。
Who Was Susan B. Anthony?
Who Was Clara Barton?
Who Was Sacagawea?
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Who Was Sacagawea? (Who Was?) (English Edition)
150円
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Who Was Amelia Earhart?
Who Was Maria Tallchief
Who Was Aretha Franklin?
Who Is Sonia Sotomayor?
Who Was Sally Ride?
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Who Was Sally Ride? (Who Was?) (English Edition)
287円
Amazon |
Who Was Marie Curie?
Who Is Malala Yousafzai?
全体に560円近辺を通常価格としているシリーズで、これらのセール価格は、基本的に Amazon.com での価格に連動しているようだけれど、一部に、Amazon. co.jp 独自の値付けと思われるものもある。長期間続くとも思われないので、興味のある方は(一体いるのかどうか不明だが(^^;)早めにチェックされたい。