シトー? | DVD放浪記

シトー?

幼少のみぎりよりロシア語を学んでいたワイン漬けデザイナーNeと違い、私にはロシア語はチンプンカンプン(というか、曲がりなりにも授業を受けた外国語は英仏のみだ)。「ダー」「ハラショー」だけはなんとなく知っていたが、それがロシア語ボキャブラリーのすべて。そこに3語目の単語として「シトー」が加わったのは、キューブリック監督のあの名作「博士の異常な愛情」を観たときだった(あ、万一この大爆笑全世界破滅コメディを未見の人は今すぐビデオレンタル店に急行しよう!)

「博士の異常な愛情」

 

 

大量の核兵器を保有する米ソ両国間の緊張度がピークに達していた東西冷戦時(1960年代を背景としている)、極度の妄想にかられた米空将が、自身の支配下にある、核爆弾を搭載したB52戦略爆撃機に対して、ソ連各都市への攻撃命令を発してしまう。敵側の謀略工作を見越して、その攻撃命令の撤回には定められた暗号コードが必要だが、ただ一人それを知る将軍は自決してしまう。

 

米大統領は、駐米ソ連大使同席のもと、ホットラインを通じてソ連の書記長にその深刻な状況を説明し、万一爆撃中止命令が間に合わない場合には、ソ連側に米爆撃機を撃墜するよう依頼する。すったもんだのやりとりの末に米大統領から電話を替わったソ連大使は、「ダー、ダー」と書記長の話に耳を傾けているが、「シトー!?」と顔が青ざめる。

 

状況から、ソ連大使が「はい、はあ……何ですって!?」と話していることが容易に推測できる場面だ。

その詳細はこちらで

 

なぜそんなことを思い出したかというと、最近観た「ガールズ&パンツァー 劇場版」のなかのロシア語(もどき?)会話のなかで再会したからだ(なお、以下はアマゾンの primeビデオへのリンクだ)。

◆ 「ガールズ&パンツァー 劇場版」|冒頭から9分27秒付近!

 

部下のノンナとクララがロシア語で話すのにいらだった上官のカチューシャが「日本語で話しなさいよ!」と叫んだ場面で、クララが「シトー?」と返す。そのロシア語の部分には「はい?」という日本語字幕が表示されていた。英語なら、What? と聞き返すところに近そうだ。

 

うーん、背景説明を始めるとたいへんなのだが……(^^;

 

この「ガールズ&パンツァー」は、戦車道が大和撫子のたしなみとされ、書道や華道と同格に位置づけられている世界が舞台。その戦車道の西住流家元の次女みほは、戦車道嫌さに戦車道科のない大洗女子学園に転校してきたのだが、折悪しくその大洗でも新たに方針を転換し戦車道の強化に乗り出すところだった。

 

周囲が家元の娘をほっとくわけがなく、結局みほもいやいやながら必修選択科目となった戦車道を選び、全国大会への出場を強要されることになる。というのがTV版の概要で、この劇場版では、大洗女子学園の存続をかけて、社会人チームをも撃破した実力を誇る大学強化チームと殲滅戦(相手の全車両を稼働不能にするまで戦う!)を戦うことになる。

 

プラウダ高校の戦車部を率いるカチューシャとその副官ノンナは共にTV版(第8話)に登場したキャラで、劇場版では、大洗女子学園の助っ人として支援に駆けつけるのだ(以下は、英国PAL仕様のTV版を収めたDVDである)。

 

このプラウダ高校戦車チーム(その名のとおり、ロシア軍を下敷きとしている)ではロシア語を話す生徒(交換留学生か?)も混じっていているという設定らしい。ただし、「シトー?」が出てくるのは、殲滅戦ではなく、前半の高校生混成チーム同士によるエキシビションマッチでの一場面だ。

 

ふーっ、これで背景説明は終わり! ま、これで、ロシア語も三つ覚えたことになるかな? (^^;