…そして大和雪原 | DVD放浪記

…そして大和雪原

さて、漢字の正しい読みを知るのが大事だということは、一国の大臣・首相ならずとも皆分かっていることだろう。私なんか自慢じゃないが、「この漢字って、そう読むんだったのか!」と驚くことが年に何度もある。

 

で、『主の機嫌』じゃなくって、『種の起源』事件から随分経ったある日、NHKの「ラジオ深夜便」が終わった後の定時ニュースを聴いていたときのことである。

 

「XXXX年の今日、~が…しました」という「今日は何の日」的コーナーがあって、女性アナウンサーが、頼りなげな声で「……白瀬中尉はその地を“大和雪原”と命名しました」と語るのを聴いて私はビックリした。いくらなんでも、

 

  やまとゆきはら

 

はないだろー! 声の感じからは、若い女性アナだったようだが、中堅の男性アナも特にその部分を訂正することなく、番組を先へ進めてゆく。おいおいと憤慨しながら、次の定時ニュースでどうなるかを聞き届けることにした。

 

そして、1時間後。同じ男女アナウンサーのコンビでニュースが始り、またしても「やまとゆきはら」の繰り返しだった。学校でも「やまとせつげん」と習ったはずだし、『広辞苑』とか『マイペディア』の類でも、「大和(やまと)雪原」のように、大和の読みに注意は促すものの、「雪原」についてはフリーパスだ。

 

しかし、皆さまのNHKともあろうものが、そんな民間放送の女子アナレベルのアナウンスでいいのか! と息巻いた後で、ふと、その女子アナの頼りなげな声は、「ここは “せつげん” と読まなくていいんだろうか」という気持ちの表れかも、と思い直した。

 

で、調べてみると、実は、このケースでは「ゆきはら」が正しいのだということを記した解説ページをインターネット各所で確認することができた。だったら、辞書・事典でもそう併記しておいてほしいものだが(一般的に「雪原」を「せつげん」と読むことに変わりはないので、あえて混乱を避けているのか)。

 

これ以後、辞書や事典等に当たる回数が、ほんの少しだけ増えた私である。(^^;