The Big Four
- ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/アガサ・クリスティー
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アガサ・クリスティの『ビッグ・4』は、おなじみの私立探偵エルキュール・ポアロが、国際的な陰謀組織の野望を打ち砕くため大活躍するお話だ。
そのタイトルにある The Big Four について、ポアロが友人のヘイスティングズに以下のように尋ねる場面がある。
"Tell me, what is commonly meant by the phrase,'the Big Four'?"
"I suppose it had its origin at the Versailles Conference, and then
there's the famous 'Big Four' in the film world, and the term is used
by hosts of smaller fry."
「”ビッグ・4”という言葉を聞いて、あなたなら何を連想しますかね?」
「ヴェルサイユ会議に起源のある言葉ですね。映画の世界でも
”ビッグ・4”という言いまわしをしますが、もっとつまらん団体に関連して
も使われているんじゃないですか」 (中村妙子訳・ハヤカワ文庫)
『ジーニアス英和大』で big four を調べると、
(1)[the ~] 米国の4大自動車メーカー:American Motors,Chrysler,
Ford,General Motors; cf.B~ Three.
(2)[the ~] 英国の4大銀行:Barclays,Lloyds,Midland,National
Westminster.
(3)[the ~] 英国の4大EFL・ESL辞典:CIDE,COBUILD,LDOCE,OALD.
(4)[b~ f-] 《ボウリング》4・6・7・10ピンが残るスプリット
とある。これを『リーダーズプラス』で見ると、いずれも[the ~]とした上で、
1 四大国《米・英・中国およびかつてのソ連》.
2 四大銀行《英国の4大商業銀行;Barclays Bank,Lloyds Bank,
Midland Bank,National Westminster Bank を指す》.
3 四巨頭《第1次大戦後の Versailles 講和会議を指導した4人;
米国大統領 Wilson,英国首相 Lloyd George,フランス首相 Clemenceau,
イタリア首相 Orlando》.
『ジーニアス英和大辞典』のスプリットの説明は面白いが、それ以上に、学習英英辞典のビッグフォーには思わず笑ってしまった。仮にビッグスリーの場合には CIDE が落ちてしまうのだろうか? (^^;
それはそれとして、クリスティが『ビッグ・4』を書いた当時(単行本は1927年刊行だが、物語自体は、1924年の1月から3月にかけて週刊誌「スケッチ」に掲載された12の短編を基にしているという)の映画の世界の“ビッグ・4”とは誰だったのだろうか?