目指せ本格派映画鑑賞術 | DVD放浪記

目指せ本格派映画鑑賞術

と題する記事(編集委員 須貝道雄)が日本経済新聞に掲載されていた。定年を過ぎたら映画でもじっくり、と考えているシニア層に向けての「映画の批評眼」養成の勧めである。内容的にあまり珍しいことは書かれていないが、


 膨大な宣伝費をかけた大作、あるいは人気ベスト10だけから

 映画を選んでいては受け身過ぎる。


というのは実にもっともな話である。洋楽が好きだという人のCDコレクションが毎年のグラミー賞授賞作品を集めたアルバムだけだったら、その人を本当の音楽好きと思う人は少ないだろう。アカデミー賞だって、受賞を逃した作品にも秀作が多いことは事実だし、そもそも候補に上らないものでも素晴らしい映画は山ほどある。


 自覚的に映画を発掘する開拓者精神が、結局は鋭い批評眼を

 養っていくのかもしれない。


と結ばれているのだが、まあ、そのためには、クズものにも手を出さなければならないだろう。いや、クズをクズとして見ているだけではダメなのであって、クズにも新たな発見を見出せるようにならなければいけないのだろう。私などには無理そうな話だ。