大統領の陰謀 | DVD放浪記

大統領の陰謀

大統領の陰謀 [DVD]/ダスティン・ホフマン,ロバート・レッドフォード,ジャック・ウォーデン

¥1,500
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◆予告編

大昔にテレビで一度観ただけの「大統領の陰謀」(1976年)を久々に観直すことができた。リチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインの活躍ぶりを描いた映画である。

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映画的な演出はあるとは言え、ほぼ実話をなぞったもので、全編にわたってほとんどが電話をかけまくり、取材を行い、原稿を書き、ボスたちにどやされることの繰り返しなのだが、これが見事なサスペンス映画に仕上がっているのが面白い。

ただ、ウォーターゲート事件の知識がないとわかりにくい面があるので、機会があれば書籍のほうも覗いてみることをお勧めしておきたい

大統領の陰謀―ニクソンを追いつめた300日 (文春文庫)/ボブ ウッドワード

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ちなみに、撮影にあたっては、可能なかぎり現実の場所を利用したそうで、当初はワシントン・ポスト紙のオフィス内部でも撮影を行おうとしたらしい。だが、さすがにそれは無理とわかると、編集フロア全体をワーナーのスタジオ内に再現し、実際に編集部内で捨てられたゴミをスタジオ内のゴミ箱に放り込んで撮影したという。そのあたりは、ロバート・レッドフォードの音声解説を参照のこと。
◆原点は「候補者ビル・マッケイ」

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ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンに加え、彼らをバックアップする上司らを演じるジャック・ウォーデン、マーティン・バルサム(この2人は、あの「12人の怒れる男」でも共演していた)、編集主幹のジェイソン・ロバーズ(本作品でアカデミー助演男優賞を授賞)も渋くていい。そのジェイソン・ロバーズは、テレビのミニシリーズ「権力と陰謀・大統領の密室」では、ニクソン大統領を模した人物を演じていてこちらもなかなかのものだった。
◆「権力と陰謀・大統領の密室」

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今回見直した際、映画冒頭で数秒間画面が灰色のままなので一瞬あれと思ったのだが、そこに June 1, 1972 と日付がタイプで打ち込まれる。「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ」(1999年)のオープニングはこれを下敷きにしているのだ。
◆「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!」

この映画がテレビ放映されたとき、解説者の荻昌弘氏が、映画館で字幕を追うだけでは理解しきれなかったこの映画の全貌が、日本語吹き替え版によって明らかになるはずですと語っていたことが思い出される。

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大統領の陰謀
All the President's Men

1976年 カラー 138分
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◆スタッフ
監督:アラン・J・パクラ
製作:ウォルター・コブレンツ
原作:カール・バーンスタイン/ボブ・ウッドワード
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:ゴードン・ウィリス
音楽:デヴィッド・シャイア

◆キャスト
カール・バーンスタイン:ダスティン・ホフマン
ボブ・ウッドワード:ロバート・レッドフォード
ベン・ブラッドリー:ジェイソン・ロバーズ
ハリー・ローゼンフェルド:ジャック・ウォーデン
ハワード・シモンズ:マーティン・バルサム
ディープ・スロート:ハル・ホルブルック
ジュディ・ホバック(簿記係):ジェーン・アレクサンダー
マーティン・ダーディス:ネッド・ビーティ
ヒュー・W・スローン Jr.:スティーヴン・コリンズ
デビー・スローン:メレディス・バクスター

※以下は資料映像として
リチャード・ニクソン大統領:本人
スピロ・アグニュー(副大統領):本人
ジェラルド・フォード(副大統領):本人
ロナルド・ジーグラー(報道官):本人
リチャード・クラインディーンスト(司法長官):本人
エリザベス・ドリュー(レポーター):本人
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