回転寿司初体験

いつもより早めに会社を出るとき、「今日はこれで……」と小指を上げて見せたら、「今日は何のテレビ番組ですかあ？」と返されてしまった。まあ、１週間休むときに「モルジブに行ってきます」と言っても誰にも信じてもらえない私ではあるから、決してこんなことで動じたりはしない。

と言いつつも、一歩会社を出れば、「せいぜいバカにするがいい。彼らにはそのうち天罰が下るであろう」と勝手に毒づきながら、電車に飛び乗り、近くの乗り換え駅で下車して一路目的地へと向かう。その途中にある回転寿司をチラリと見やると、意外に空いているようだった。

私は、生まれてこのかた回転寿司に足を踏み入れたことがなかった。別に主義主張があるわけではなく、要はどの店もいつも混雑していて、待つのがいやだったからなのだ。ユニクロに行くたびにその前を通り過ぎるこの店も、いつも満員状態だった。だから、これはチャンスなのだが、今日は先にすべきことがあった。心を鬼にして店の前を通り過ぎる。

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下着や靴下を買い込み、夏のワードローブを充実させる本日の最優先課題をこなした私は、意気揚々と駅へと向かう。そして、件の回転寿司を見やると……正面入り口のガラス戸越しに見てとれる店内にはまだ空席があった。これはもう奇跡である。私はフラフラと店に吸い込まれていった。

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詳述は避けるが、いまさらながら、その効率的なシステム設計に感心しつつ、気の向くままに皿を重ねていった私がとりあえず、こんなものかなと切り上げたところで1150円だった。

次回はネタをもう少しよく見ることにしよう。　（^^）