リチャード・マシスンの『吸血鬼』とジョン・ウィンダムの『トリフィド時代』 | DVD放浪記

未読のSF二題

小学生の頃にウェルズやジュール・ヴェルヌの作品を、また雑誌「少年」で「鉄腕アトム」や「鉄人28号」などを読んで育っていた私は、自然とサイエンス・フィクションなるものに興味を引かれるようになっていった。

 

当時SFといえば、ハヤカワ・SF・シリーズと創元推理文庫が主たる供給源だった。特に前者は、質・量ともに充実した内容で後者を圧倒してはいたのだが、いかんせん値段が高く、私の限られた小遣いで購入できるのは、創元推理文庫のSFマークの作品に限られていた。

 

当時、SFについての知識など皆無の私は、本の巻末にある既刊リストやその紹介文を頼りに、まだ見ぬ作品の内容に想いをめぐらすのだった。そうした中に、妙にタイトルに違和感を感じる作品がふたつほどあった。

 

ひとつは、早川のもので、リチャード・マシスン『吸血鬼』(これは後に『地球最後の男』へと改題されている)。SFとホラーは絶対に違うものと信じていた私にとって、これほど場違いなタイトルに感じられるものはなかった。

 

 

 

 

 

そして、もうひとつは、創元のもので、ジョン・ウィンダム『トリフィド時代』。実は、早川からもこの作品は刊行されていて、そちらのタイトルは『トリフィドの日』。覚えたての英語の知識で、「day は時代じゃなくて日だろうに」と、子供ながら、それなりに考えていたわけである。

 

 

 

 

 

 

結局、私はそのどちらも読まぬまま今日に至ってしまったのだが、最近になって、これらの映画化作品がカップリングされたDVDを偶然発見した……。

(今日はここまで)