「2番目のキス」を観る前に | DVD放浪記

「2番目のキス」を観る前に



最近話題の「2番目のキス」が気になっている。


もちろん、ファレリー兄弟の新作だからということはある。ドリュー・バリモアがプロデューサーとしてからんでいるという点も興味深い。だが、なににもまして、ニック・ホーンビィの存在が気になるのだ。なにしろ、あの「ハイ・フィデリティ」(2000年)や「アバウト・ア・ボーイ」(2002年)の原作/制作総指揮者である。そして、この「2番目のキス」の原作は彼の処女作品であり、すでに「ぼくのプレミアライフ フィーバーピッチ」(1997年)としてコリン・ファース様主演で映画化されているのである。

しかも、まったくの偶然なのだが、ちょっと違う筋からの流れで、ちょうどこのDVDを購入していたのもなにかの縁だろう。


コロムビアミュージックエンタテインメント
ぼくのプレミアライフ フィーバーピッチ

で、さっそく観てみた。

別にサッカーのファンというわけでもなく、途中で退屈するかなと内心懸念していたのだが、それはいい意味で裏切られた。子ども時代から20年間にわたって、プレミア・リーグのアーセナルと苦楽をともに歩んできたサポーター人生をつづった原作者の自伝的小説を、本人自身が脚色したストーリーは実に愉快で楽しい。

上司から学年主任になってみないかと打診されても、、「今のままでもシーズン・チケットは買えますからね」とそっけなく応じ、授業中には生徒らからサッカーの話題を振られて思わずそれに乗ってしまい、放課後にはもちろん、サッカー・クラブの指導に情熱を傾ける英語(つまり国語)教師と、そんな彼に恋してしまった新任の女性教師(ルース・ジェメルがなかなか愛らしくていい)とのラブ・ストーリーは、「私とサッカーどっちが大事?」「そんなもの、決まってるさ!?」という、DVDのケースに刷り込まれたコピーが示すように、当然平穏無事で済むわけがない。

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ぼくのプレミアライフ
Fever Pitch

1997年 カラー 102分

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◆スタッフ
監督:デヴィッド・エヴァンス
製作:アマンダ・ポージー
製作総指揮:ニック・パウエル/スティーヴン・ウーリー
脚本:ニック・ホーンビィ
原作:ニック・ホーンビィ
撮影:クリス・シーガー

音楽:ブー・ヒュワーダイン/ニール・マッコール


◆キャスト
ポール:コリン・ファース
サラ:ルース・ジェメル
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その作品を、原作者自らがアメリカを舞台に移植し直したリメイク作品が「2番目のキス」だ。


はたして、イギリスのサッカーはアメリカの野球と交換可能なのか? ファレリー印の●●●ネタは今回も健在なのか? そして、あの「ハイ・フィデリティ」、「アバウト・ア・ボーイ」などを手がけてきたニック・ホーンビィと「メリーに首ったけ」(1998年)、「愛しのローズマリー」(2001年)、「ふたりにクギづけ」(2003年)で笑わせてくれたファレリー兄弟との相性やいかに? 

個人的には、ファレリー兄弟がやや抑え気味で、ニック・ホーンビィをたてることができるならまずまずの作品になるのではと期待しているのだが……。


とりあえず、「2番目のキス」は今年公開される映画の中で注目度ナンバー1と言っておこう。 (^^)

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ハイ・フィデリティ 特別版

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
アバウト・ア・ボーイ