アーウィン・アレンが制作した「宇宙家族ロビンソン」
ウォルフガング・ペーターゼン監督の「ポセイドン」がまもなく公開されるが、そのオリジナル作品にあたる「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年)や「タワーリング・インフェルノ」(1974年)といったパニック映画の大作を製作したアーウィン・アレンは、20世紀フォックスにあって、「原子力潜水艦シービュー号」、「宇宙家族ロビンソン」、「タイム・トンネル」などの(私のような年代の者には実に懐かしい)SFテレビドラマシリーズのプロデューサーとしても辣腕をふるった人物だ。
子どものころ、「宇宙家族ロビンソン」は、私のお気に入りのテレビ番組のひとつで、毎週欠かさず見ていたものだ。とはいえ、そのすべてが好きという意味での大ファンではなかった。率直なところ、科学的な考証については言うだけ野暮で、セカンド・シーズンに入ってからは、ほとんどコメディになりさがってしまっていたので、TBSでの放映が途中で打ち切られたときは、子ども心にも、「まっ、しょーがないか」と、やや醒めた見方をしていたのだ(かわいくないガキだ)。だから、「スター・トレック」のようなSFドラマを期待すると完全に肩すかしを食うことになるので、未見の方は注意してほしい。
では、なぜ私がそんな番組を気に入っていたのかと言えば、レギュラー陣の中にあって、ただひとりの悪役であり、嘘つきで、卑劣で、小ずるく、根っからの怠け者でありながら、それでいてどこか憎めない、(ジョナサン・ハリスが演じた)ドクター・スミスというキャラクターの存在が大きい。いや、今振り返ると、そのドクター・スミスを見事に演じきった声優の熊倉一雄の魅力につきるだろう。この点については機会を改めて書いてみたい。
さて、このテレビ番組については、日本で放映されたファースト・シーズン、セカンド・シーズンともに、DVDのBOXセットが発売されている。なにを隠そう、私はすでに両セットとも購入していて、このあいだ、ファースト・シーズンを全部見終わったところなのだ。そして、これからセカンド・シーズンを見ようかという矢先に、なんと国内では放映されなかったサード・シーズンのBOXセットが発売されることを知ったのである。
- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 宇宙家族ロビンソン サード・シーズン DVDコレクターズ・ボックス
吹替え音声がないのは残念だが、これはいたしかたないだろう。それより、サード・シーズンでは、長らく不時着した惑星に足止めを食らっていたジュピター2号がいよいよ離陸に成功し、再び宇宙放浪の旅を再開するらしい。ロビンソン一家のその後の冒険をぜひこの目で確かめたいものだ。
ただ、問題は価格である。この手のものは、いつもなら、「私が買わなくてほかの誰が買う!」リストのトップに位置してすぐに購入予約を入れてしまうのだが、他のBOXセットをいずれもアマゾンで半額セールの際に入手した経緯があるので、今回もしばらく様子を見るべきか、実は、今でも迷っているのだ。 (ーー)