私は今月で、出所して一年が経過しました。
刑務所を出てすぐ左にあった自販機で、久しぶりに炭酸ジュースを買いました。久しぶりに会った知人にタバコをもらいました。その後も、久しぶりのシャバ(刑務所の外)の生活を、あれもこれも久しぶりなのだと、いちいち噛み締めるような生活をしてきました。
私は逮捕される直前まで、とある会社のコールセンターで契約社員として働いていました。そして大体の休日は、独学でスマホだとかパソコンのプログラミングの勉強をしていました。
もちろん、留置所にいながら会社は解雇されました。
そのまま実刑判決が確定して、刑務所に移送されても、散々の後悔と、そして人様に迷惑をかけた、という一言で言ってはならない気持ちで過ごしていました。
出所してから何の仕事をしようかと考えても、目の前にスマホもパソコンもない、得意のググりが出来ない…
でも刑務所の中には常駐のハローワークの担当の方がいるので、とりあえず話を聞いてみると、協力雇用主、と言って表には出ていない特別枠のような求人がありました。
そして私には、なんの縁もゆかりもない、鳶工として働くことに…
刑務所内で、筋トレの面白さに目覚めた私は、なんの根拠もない自信でその仕事に決めました。
私は今年で34歳になります。体力的にはかなりしんどい思いをすることもありますが、作業を黙々とこなせる仕事は、やはり自分には合っていると思います。
最近、こんな私にも恋人ができました。
私の過去がどうだったとか、そんなことを飛び越えて、ずっと前を見ていてくれるひとです。
そして今、昼寝する横顔を見ながら、今日の晩飯を考えています。
