黄昏の西天
僕たちの時間は
遥か昔
遠く沖のほうへ
流されたままで
黄昏の西天
僕たちの時間は
遥か昔
遠く沖のほうへ
流されたままで
彼の瞼が世界を覆うとき
瓦斯燈は紅く爆ぜ
流氷は低く軋みを上げる
永遠に出逢わないふたりの
終わらない別れ
彼女の瞼が震え
世界が白く閉ざされるとき
硝子壜の底に沈んだ月が満ちる
永遠に出逢わないふたりよ
どうか幸せに
誰にも届かない願いは
波間に揺れて凍空へ還る
窓を開けて
吹き込む風を受け止めて
奏でる夜明けのプレリュード
新緑は優しく髪を撫で
滴となって頬を伝う
溢れるばかりのこの歌を
生まれたての
震える大気に還元する
そう、きみに繋がる
この青い空へと
嵐の前触れのように胸は高鳴り
まだ見ぬ未来図を探して僕らは走り出した
何度世界 が巡り、何度出逢ったとしても
同じ風を感じ生きること
それはきっと変わらないだろう?
きみに出逢ったのは
あのひとを探していたから
それは夜が明けるような必然
それでも気付かないふりをしたのは
あのひとの面影が
忘れられなかったから
きみを好きになったのは
あのひとにどこか似ていたからで
それでも好きになったのは
きみが
だれよりも強く
だれよりも潔く
だれよりも優しく
輝いて見えたからだよ