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過日 - unforgettable days -

詩集を作ってみようと思って、書きためた詩を詰め込んでます/編集中なので、いきなり消えたり大量にupしたりします/!無断転載禁止!

 



ひぐらしの歌降る中
知らず 薄らいでいく
夏の気配
子供だった私の手は
小さくて
縁側から離れていく
あなたを
引き止めることさえ
出来なかった

 

そのすべてが魔法でした
あなたの手は傷を癒し
あなたの言葉に心を洗われ
そばにいることが幸せでした


このコンクリートの道は
あなたと手を繋いで歩いた時は
まだ 自転車も通れない程狭い道でした
シロツメクサやツユクサや
ハルジオンやヒメジョオンに彩られた
細い細い道でした


今でも 毎日この道を通ります
この灰色の道をひとりで


夏になれば 夕闇とあなたを
秋になれば 積み藁とあなたを
冬になれば 南天の実とあなたを
そして
春になれば 日差しと 薄紫色に霞むあなたを
思い出しながら


もう 背丈もあなたを追い越しました
今 一緒に語り合えたなら
どんなに話が弾んだことでしょう
大人になった私を
誰でもない あなたに
一番に見て欲しかった


共に歩いた道は もうないけれど
共に歩いたあなたは もういないけれど


むらさき小道で
眠るあなたを 今日も







 



共に歩く南天
変わり続ける季節に
変わらずそこにあるもの
僕たちの願い
時は戻らなくても



















 



独り往く北天
抗う星の軌道
振り返ってはいけない
幕はもう
上がったのだから



















 



暁の東天
僕たちはまだ知らない
選んだ地図の上
拓いてゆく航路に
忘れえぬ未来があることを