栗原類さんのお母様、栗原泉さんが書いた本です。
装丁が静かな感じでとても美しいです。
類さんだけでなく、泉さんも発達障害を診断されているとのこと。
書かれている内容、経歴、筆力から私が思っている『発達障害者』とは、泉さんはかけ離れています。
私は存じ上げませんでしたが、泉さんは、芸能音楽業界では有名な通訳なのだと思います。
一般家庭(どちらかというと裕福)で、通訳になれるほどの語学を嗜んでいる。
総合すると、かなりクレバーな方です(本人がそうではない、と否定しても)。
そして、子供にバイリンガル教育を施そうと海外移住する当たり、行動力もバイタリティーもある方。
そういう方が、自らのエゴと戦い、発達障害の息子が自立するよう工夫し、選択させ、協力者に安心し、注意深く息子に敷いてきたレールの話です。
悩み苦しんできたのは、文字からも行間からも容易に想像できます。出版物ですから「キレイにまとまっている」のも理解しています。
でも
クレバーで行動力とバイタリティーがある。勿論、忍耐力もあり、先を見据えて、子供がどうしたら自立できるかの見通しを本人も交えつつ作戦が練れる母親、
という、私の一般論そのままでした
非難しているのではないです。反対です。良かったです。予想通りで。
こういう母が育てれば、得意分野で一流の仲間入りする可能性のある子供を育てられる、という期待と現実が見られました。
いつも無表情のイメージの類さんの、笑顔の写真が多く印象的でした。