これは、私の母が懸命に生きた証を自分の記憶に残したくて綴る、記録です。



母のこと⑤は、こちらから
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2度目の転移。



抗がん剤治療をやめていた

たった数ヶ月の間に

2箇所に転移したようです。



そして、

私たちが主治医と相談し

出したこたえは


抗がん剤治療でした。



2021年。


今秋から再び抗がん剤治療を開始します。


主治医は母に

  まだまだ思い残したことあるやろ?




と、尋ねました。


母は

  孫の成長がみたい



13歳と11歳になる孫の

成長のためにも


母、本人の生きる望みを

「孫の成長をみる」ことにたくし



自分の命を燃やしつくすために

あんなに

病院嫌いだった母が


望みをかけて

抗がん剤治療を頑張るそうです。


抗がん剤治療を行うことで

あと、3年は生きられると


主治医から伝えられました。


今回は前回の抗がん剤とは勝手が違い

服用なしの

2週間に1度の点滴のみの治療。


その治療にあたり

今回は

ポート


という治療機器を

体内に埋め込むことになります。


初めて聞く言葉
初めて聞く説明
初めて知る治療法

知らない世界がまだまだあります。


でも
こうして、ひとつずつを知り

改めて

健康ってあたりまえじゃない。



私たちよりも何十歩も先を母は歩み

先を行き

健康でいられる幸せを


母は自身の身をもって

命がけで


私たちにその背中で



「健康でいられることの喜びを味わいなさい」



教えてくれているようです。


そして、

私のそばには「死」ヘの覚悟と


「ここに生きる」と決めた



命と向いあう

残された母との時間。



なぜ人は

大切な人が

骨となり

灰になる姿を

見送らなければならないのか。


なぜ、それを受け入れていかなくては

ならないのか。


人はそんなに強くない。

けれども

痛々しいまでに


受け入れていかなくてはならない



現実。




こうして人は強くなっていくのか。

それとも

壊れていくのか。


とにかく今、目の前にある

今にも手のひらからこぼれ落ちそうな

ひとときの幸せをを味わって、

それを支えに

前を向くしかない。


「生」と「死」を



こんなにも

意識して生きた時間は

生まれて初めてです。


今、問われている。



自分の健康。


家族の健康。


生きるとは。


この世を去ることとは。


自分の在りかた。


人との向き合いかた。





母のこと⑦へ続く




🌈こころのはぐ

心理カウンセラー田中春菜