松任谷由実1989年のアルバム。
このアルバム最高好きな名作!本作と翌年の「天国のドア」私のユーミンのイメージはこのあたり。好景気、華やか、未来感。
1曲目から順に。
Valentine's RADIO
自分が小学生だったという視点もあるけれど、なんだかこの時代働く大人のお姉さんたちがかっこよく見えてた。過度すぎるくらい着飾っておしゃれで化粧してアクセサリーつけて、勢いある感じで。テレビも浮足経ってるような番組が多くて、インターネットもないからテレビや雑誌が一方的に作り上げて流す世界が反映されているというか。夢や幻のありそうな時代だったのかも。
この曲の主人公はラジオDJ(芸能人設定か)の女性が番組を私物化し公共の電波でいまでいうところの匂わせをする話なんだけど
「私は唯一の彼女と名前を匿せずに言ってもいいでしょ曲紹介にのせて」
少し喧嘩中?の設定なのか、やり直したいって明るく歌い上げる。好きがあふれてるお花畑状態。
WANDERERS
2曲目はちょっと寂し気なバラードだけど曲調は乾いた疾走感。
少し未来も考えた「君」に会えなくなってさまよう行き場のない心情を描いた作品なのか。タイトルのつけ方がさすがですね。
しかし歌詞の内容はわかりそうでわからない箇所
「袖ちぎったシャツをくぐり抜けてゆくぬるい春のとばり」
なんか外国語訳してるような、分かったようでわからない感。バイクで風を切ってる、なまあたたかい春の風って表現なのかしら。
LOVE WARS
3曲目にきて、本アルバムタイトル。ワクワク始まる未来感あふれるイントロ。
GAME OVERにはさせない
終わりかけてる恋愛を立て直すためにおりゃあああってアグレッシブに決意表明して闘う歌ですね。
力強い女性の時代、って感じなのか。未来的な曲調からもすごくかっこいい曲にしあがってるけどつまるところ相手ほ嫌がってるってこと。
もうここまでくると自分の思い通りにしたい!物として、欲しい!その執着ですね。確かに20代とか就職活動にしても何にしても欲しいものは絶対欲しいになる思考なのは自分も周りもそうだったけれど、年取ると無理やりの無意味さってものが客観視できるようになりますね。
心ほどいて
これは切なすぎる名曲。結婚式場面の曲なんだけど情景が手に取るように浮かぶ。歌詞がめちゃくちゃ秀逸なんだけど、アップルミュージックではほかの曲の歌詞は出てくるのになぜかこの歌詞は表示されないという(笑)うまくできている。
この歌詞の内容わかるようでいてわからない部分があるからずーっと何年にも渡って考えていた。
学生時代の仲間の中のAと付き合って、でも別れて、そのうち学生時代の仲間の別の人Bと結婚する。結婚式には仲間全体を呼ぶから元カレのAも出席。
「そしてヴェールをあげて彼とむかいあうとき あなたが遅れて席につくのがわかった」
Bもなんかしら思うところはあるという表現。この女性も主人公気質で、結局Aと結婚するのにBはまだ自分を少しは思っていると思いあがっているようだ。
「燃え尽きたあの約束もカテドラルから 高い窓から逃がすの」
思い出も全部この結婚式を機にリリースするんですね。
「私のうそをみんな引き受けて
あなた離れていくの」
もうAなんて好きじゃないとか、Bさんがいかに素晴らしいかということを負け惜しみを隠しつつ高らかに語ったのだろうか。ほんとはAさんと結婚したかったけどAがそういう気なかったのか、あるいはこの女性の思い通りの結婚生活のためにはAの現状じゃ実現不可能だから好きとかじゃなくて理想の結婚生活ができそうなBと結婚を決めたのか。
結局この元彼Aが今までで1番好きだったってことなんだろう、でも何かしら結局は縁がなかったのか今時期結婚がしたかったのかBと結婚することにしたというお話。
そして結婚式にはAにも呼んで、結婚式の最中もずうっとAのことを考えながら挙式。Bと寄り添いいくわ、という自分にいいきかせる宣言を考えながら。さよならAさん・・・私結婚します!って物語。
1曲目から通しで聴くと
あれ?匂わせしてダメになってきたらゲームオーバーにさせないとか闘うとかいってきたのに結局無難に未練を抱えたまま別の人と結婚するのか・・
このあたりがバブルの女性が強い時代に見えても(アッシーとかメッシーとかボディコンみたいなの着て)てラジオで匂わせやるほど主人公でもしょせんは古い世代の名残というか、そのシンデレラタイムって期限があり、結婚して結局は無難に従来の女性像にとりこまれていくそんな社会風潮がにじみ出る仕上がりになっている。
逆に言うとどこにでもいるような女性(おばさん)にも、物語があった、という見方もできる。宇宙的未来感をちりばめてもどことなく現実感のある曲に仕上がっているのですね。
LOVE WARS2へ続く。