DUNE Part Two 待ち望んだ『砂の惑星』の姿をついに | 小心者の大胆不敵 

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徒然に映画の感想綴ります。
偏愛映画多め。推しの愛にあふれ暴走気味。
現在Archie Madekwe推しです。大好き。

"LONG LIVE THE FIGHTERS!"


先行上映でDUNE Part Twoを観てきました。

これは、ぜひ、映画館で。
IMAXもしくはDolbyで。
音響の良いでかいスクリーンで見てね!!

前作から続く続編。
ハルコンネン家とアトレイデス家、

そして皇帝も含め、宇宙で繰り広げられる戦争。

未来も今と変わらず政権や利権を争っているのかと思うと憂鬱な思いがしますが、それも含めこの作品は壮大な叙事詩であり、この物語を映像化できたのはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、本当に偉業。傑作が誕生した。

過去に何度も映像化しようとして、

失敗や未完のまま頓挫したものもあります。
ヴィルヌーヴ監督のDUNEを見るにあたり、過去作品を改めて再鑑賞。
もともとデビッド・リンチ監督の「デューン 砂の惑星」は見ていたのですが今回もう一度。

ヴィルヌーヴ監督が3時間近くの作品で2部構成で描いたものをリンチ監督は2時間ほどの尺で納めており、そのため、描き切れない詳細が多かったんだな~と改めて思います。

無理に決まってる。

ハルコンネンのビジュアルは、

不快で本当に腹立たしく作ってあるのがさすがリンチ監督。
本当に画面で見るのが嫌になるほどの不快さ。
ある意味、傑作。
そして今回オースティン・バトラーが演じた

フェイド・ラウサは、
リンチ監督作品ではなんとスティングなんですよ。
必見。登場シーンがすごい。

ほぼ裸。どういうことなの。

ヴィルヌーヴ監督作品と大筋はあっているけれども解釈の違い、80年代という時代

などを考えると、わかるな~と思うところはありです。

失敗といわれていますが、たしかにリンチ節がうまく出てないのもあって微妙な感じ。

 

そして、もひとつ、ドキュメンタリーを鑑賞。
「ホドロフスキーのDUNE」

これ本当に怪作なんで、興味ある人は見てほしい笑。

狂気が詰まってる。
ホドロフスキーがDUNEを作ろうとして、

奔走していた当時を振り返る作品なんですが
旅をしながら仲間を集めていく、RPGのようなスタイル。
そしてホドロフスキーの狂気が暴走。

ロードオブザリングのように旅先で、

魔法使いや賢者(スポンサーやCGアーティストなど)

と出会って構想を練り始めると

予算があれよあれよと膨らみ、

ホドロフスキーの暴走を懸念したスタジオが降り、

(わかる。これはギャンブルすぎる)途中で頓挫。
ホドロフスキーの映画は私には難解すぎるのですが、
もしこれが予算がおり作られていたら、
世紀の駄作か、名作か極端な評価で割れただろうな~と思います。

問題作間違いなし。

サルバトール・ダリを皇帝役(あのダリを?!)

オーソン・ウェルズをハルコンネンにキャスティングしようとしていたり、才能もさることながら狂気と情熱がすごい。

(ちょっと観たいですけどね。カオスすぎる)
そしてその時作られたコンセプトアートの本がすごい厚さ。
これはこの後のSF作品に影響を及ぼしているのではないかと思います。
その時に集まってきたアーティストたち(オバノン、ギーガー、メビウスなど)はその後、エイリアンなどのほかの作品で成功しているので、ホドロフスキーはやはり先を行き過ぎていたのかもしれません。
(ホドロフスキーは作中リンチの作品はつまらん!とけなしていて面白かった。後日談。ヴィルヌーヴ監督作品も観たそうです)

そして、満を辞してヴィルヌーヴ監督の作品。
ここで、わたしたちは、

「そうそう!!こんなDUNEが見たかった!!」を体験しているんだと思います。

それもすごいスケール感と美しい映像、音楽付きで。

うれしいに決まってる。待ち望んだ作品。

海外では先に公開されており、

ティモシー・シャラメの演技の評価がすごく高い。

それも納得です。

1作目、すべてを失い、運命に翻弄される青年から
2作目、運命を受け入れ、進みだす姿は圧巻。

それを支えるチャニは過去作品よりも、より強く現代的な女性として描かれ

重要なキャラクターとなっています。

ゼンディヤの演技も素晴らしいです。この作品では

ほかの俳優たちも、100%以上の力を発揮できる現場だったのではないでしょうか
すごいハーモニーで映画全体がまとまってる。

全員が主役級なのに、ですよ。凄すぎる。

2作目から参加の

イルラン姫(フローレンス・ピュー)
皇帝(クリストファー・ウォーケン)
フェイド・ラウサ(オースティン・バトラー)
レディ・マーゴット(レア・セドゥ)

(個人的に大好きなレアのマーゴット。ちょっとしかスクリーンタイムないけど存在感あるベネ・ジェセリット。そして次の作品?で重要になりそうな役ですよね?3作目作りたいと監督が言っている記事を読んだので期待してる)

才能の競演。


美しく強く、そして非道で残酷な姿も余すところなく描かれており、
惑星アラキスの姿は息をのむほどに美しい。

ハンス・ジマーの音楽もまた、

素晴らしく、キャラクターと舞台にマッチ。
メイキングをちらっとみたのですが
ハンス・ジマーの映画の解釈と理解の解像度がすごいんだなと思っています。そしてそれを音楽で表せる才能。

すごいの一言です。(語彙力)

そして撮影監督のグレイグ・フレイザー。

Hands Down。彼の映像は体験です。

でかい画面で見てください。
視界に入りきれないほどのスケール感がスクリーンに広がります。

すべてのフレームで砂漠の惑星アラキスの過酷さと美しさ、そしてそこに暮らすフレメンの力強さを感じることができると思います。

たくさん書きたいところも感想もありますが、ネタバレしてはいけないのでまずはぜひ皆さんにすごい映像体験をしてもらいたい!!問答無用、映画館で観てね。
私もあと5回くらい観たい!!

"Dune, my dune"
ハルコンネンがつぶやくこの言葉が印象的でした。