先日、18日は会社をお休みにしてお客様の所に大型機器の搬入のお手伝いをして参りました
朝の8時に2tワイドの箱車を借りに行き、午後3時半まで専属運転手として札幌市内を駆け巡りましたが。肩が凝るのはまぁいいとしてバックモニターが付いてはいても、後方のの視界がほとんど無い車の運転に慣れていなかったので、終わった時には脱力するほど疲れていました
無事、何事も無く家までたどり着けた自分を褒めてあげたいです
さて、今回はインクに関する事を一つ
そもそもインクとは、樹脂に何物かを添加・混合して作られている物です。
例えば
水性バインダー は水系樹脂+ターペン(ターペンタイン・テルペンとも言います)
プラスチゾルインク はPVC+可塑剤
溶剤系インクは油系樹脂+溶剤
などなど。
さて、これら「樹脂」は例えば水系樹脂にしてもただ一つではなく、色々な性質を持った樹脂が使われています。そうする事によって「ラバータイプのインク」ができたり「アンカータイプ(染み込み)のインク」ができたりします。プラスチゾルインクにしても同じ仕組みです。
別の言い方をすると、一つの樹脂から、加えるターペンの量を加減しただけでラバータイプやアンカータイプを作り分けている訳ではありません。プラスチゾルインクも同様に、同じPVCに可塑剤の量を加減すれば染みこむタイプができあがる訳ではないのです
水性ラバーバインダーの目詰まりを軽減するものに「乾燥遅効剤EG」
があります。これは同時にインクの粘度を「一時的に」緩くします。その仕組みはいずれかに
ただ、この乾燥遅効剤EGの目的は「印刷改善剤」としての意味で、「インクの改質剤」ではないという事です
プラスチゾルインクはどうでしょう
プラスチゾルインクは自然乾燥(硬化)は一切無いので、目詰まりは置きません。
粘度を緩くするためには「レジューサー 」を添加しますが、通常インクに対して1~3%添加します。
それ以上加えると、樹脂の硬化時間が以上に長くなるとともに、乾燥不足を起こし、ひいては接着不良を起こすためです。
レジューサーを加える目的は何でしょうか
それはインクの粘度を柔らかくする事です。それも「印刷に支障がある場合(硬すぎる場合)の印刷改善のため」です。
勿論10%とか20%とか入れる事は可能ですしかし、それによって引き出せる効果は
1.インクの隠蔽性が無くなる
2.インクがしゃぶしゃぶになり、「あたかも」水性の染み込みタイプのような印刷に見える
という間違った方向です
そうです。レジューサーも「印刷改善剤」であって、「インクの改質剤」ではないのですから。
本来、プラスチゾルインクが硬い場合、レジューサーを入れる前に、インクを攪拌してあげます。それでもどうにもならない場合にレジューサーを入れて下さい
ちなみに、プラスチゾルインクのラバー系は水性バインダーのラバー系に比べて、仕上がりが「やや」硬くなります。
これを改善するには「インクの改質剤」である「柔軟剤
」を添加します
エッジが立った視覚的に立体的なプリントをしたい場合は「ハイデンシティ」というインクや「3DSQ」というインクが用意されています。
通常のプラスチゾルインクに「増粘剤」を添加すると、勿論粘度が上がって同じような効果が期待されますが、造園剤というインクにとっての異物が混入されて接着力は低下してしまっています。お気を付け下さい