「プラスチゾルインクで風合いを柔らかく」の間違った方法 | たか坊のブログ

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前回、インクの粘度調整につて書いている内に、ふと思い出しましたガーン

「ひょっとして、印刷仕上がりの風合いを変化させるために、粘度を落とそうとかしてるのはてなマーク

って事を。。。



例えば、水性バインダーは大きく分けて、ラバータイプとアンカータイプがあります。

ざっと説明するとガーン

ラバータイプは、ラバーのように被印刷物(生地)を覆う様に仕上がるタイプ。
アンカータイプは「さも」染みこんだように、柔らかく仕上がるタイプ。

どちらも、全く違う樹脂を使って作られています。

ラバータイプのバインダーを希釈すればアンカータイプのバインダーになるという訳では「決して」ありません。

前回も簡単に書きましたが、ラバータイプを水で希釈すれば、そりゃぁ粘度は落ちますが。



さて。じゃぁ、プラスチゾルインクにはこのように、タイプの違う物はないのかはてなマーク

プラスチゾルインクで多く販売されているのは、ラバータイプです。

Tシャツ、ポロシャツなどなどではなく、例えば「はっぴ」にラバータイプのプラスチゾルインクでプリントすると、印刷部分だけが生地とかけ離れた風合いで硬く仕上がってしまいます。

じゃぁ、どうしたら良いのはてなマーク

様々なレデューサー(レジューサー)があちこちで販売されていますが、これを大量に混合すると、ラバータイプのプラスチゾルも勿論トロットロになりますガーン

が、これは、先述の水性バインダーの場合のように「薄めた」ものです。

プラスチゾルインクはPVC(塩化ビニル)+可塑剤でできています。

レデューサーは可塑剤です。

インクに含まれる可塑剤の量を多くする事で粘度が落ちるわけですが、その弊害として

・隠蔽性が無くなる(さも染みこんでいるように見える)
・乾燥時間を長くしなければならなくなる

という事態になります。

隠蔽性が無くなるという弊害を、逆手にとって、いかにも染み込みの様にみせかけるわけですが、大概の方は、添加した量に対してどれだけ乾燥時間を長くすれば良いのか解っていらっしゃらないと思います。
ちなみに私も正確には解りません。

これが性格に解らないという事は、堅牢性(はがれ)の危険度がUPしているという事ですショック!


こんな、危険な行為はプロは勧めないし、プロには勧めません。

そんな危険を冒すくらいなら、きちんと、風合いが柔らかく仕上がるプラスチゾルインクをお勧めします。


※本来、レデューサーは、微かに粘度にばらつきのあるプラスチゾルインクを、お客様の手を煩わせる事で「微妙に」調整して下さい。という製品です。


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