
前回から、製版について説明しておりますが、本日は「3.グランド原紙等を低温熱圧着するカッティング法 」からにします

とりあえず「グランド原紙等を・・・」と書きましたが、スクリーンメッシュに貼り付ける事が可能なものなら何でも構いません

とはいえ、使うインクによって話は変わります

世の中に知られていそうなもので順にお話しすると、
1.グランド原紙(ピールスターNなど)
は油性インク用です。水性バインダーや、水性インクでも使えますが、刷っているうちに基材が壊れますので、大量に印刷する場合は注意が必要です。
で、これはアイロンなどで低温熱圧着するので、本来は絹のスクリーンメッシュを使います。絹は低温では変質しないので、原紙剥離剤を使えば剥がす事ができ、メッシュも傷つく事無く、再利用する事ができます。
2.感圧接着材が塗布されているシート
は、そもそも熱を使用しないので、使用後の剥離が容易です。
水性用の感圧接着剤を使用しているので、本来は油性や溶剤型のインクはお勧めしません。グランド原紙の理屈と同じです。
印刷面(スキージ側ではない面)に貼り付けるのですが、スキージングの際の違和感が克服できるのであれば、スキージ面に貼り付ける事で、接着剤がインクに触れないので油性インクでも使用できます。
さて「じゃぁ、プラスチゾルインクは1は使えるけれど、2は使えないんですね?」
という質問が飛んできそうですが

プラスチゾルインクは本来2を使います。
これまで何度もお話ししておりますが

溶剤などでしかお掃除ができないと信じられてきたため、油性と思われがちですが

さぁ、カッティング法についてはこれでお終いです

時々みかける
「テトロンメッシュに、熱圧着のラバーシートを熱プレスして版を作る方法」
は欠点が有りすぎです

まず、熱圧着すると、そのスクリーンメッシュは二度と使えなくなる、じゃないですか

これだと、1版に対して、紗(スクリーンメッシュ)とラバーシートの分の値段がかかるので、ちっとも原価が安くないです

ちなみに、最近ご質問のお電話を頂いたお客様は
「感光乳剤で作る版も、二度と落とせない(再生できない)ので、スクリーンメッシュは使い捨てだって言われていました」
と仰っていましたが、そんな事は絶対と言っていいほど有りません

色々な細かい柄を露光できるようになるまでには多少のコツが必要で、露光機をなんとか用意しなければなりませんが。
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