このブログにも何度か書いた事で、重複しているとは思いますが。
昨今の生地メーカー様が作られる繊維製品は、シルクスクリーンプリントや熱圧着ラバーシート加工等の際に「再昇華(ブリード)」してしまう製品が多くなって来ています。
特に「吸湿速乾」を売りとした商品。又、製品原価を抑える為に再生原材料を使用した商品。
いずれも「ポリエステル繊維」を「含んだ」商品に前述の加工を行なった際に再昇華を起こす事が多くなって来ています。
本稿の趣旨とは外れますが、筆者の主義としては
「安くすれば良いってもんじゃない」
と考えています。
確かにエンドユーザー様にとっては、安いに越した事はない・・・です。
しかし、
例えばこれまで1着1,200円だったTシャツが1,000円になったとします。メーカー様はこれらの商品を、例えば6掛け(40%引き)で加工業者様に卸していたとすると・・・・
加工業者様が一切値引きせずに販売したとして(加工価格を考えない場合)
1,200×0.6-1,000×0.6=120
120円もの利益が削られる事になってしまいます。
安いに越した事はないのです。ただ「安易」な価格のみに頼った戦略は・・・・
本題は「ブリード」でした。
本来、ブリードしないインクは有りません。
ブリードしてしまう生地は「昇華染料」を、ある温度で昇華転写させて作られます。
なので「ある温度」以上の熱加工が行われると、昇華染料は逆行、すなわちプリントされたインクの方向へ引っ張られます。
昇華転写した染料が再度昇華・・・再昇華します。
シルクスクリーンプリントのインクは水性・油性を問わず熱加工します。
水性インク(バインダー)は熱加工しなくても良い・・・という認識は間違いで、洗濯堅牢性(何度洗ってもはがれないかなどの他に対薬品への強度の度合いも判定基準に有ります)に格段の違いが見られます。
また、架橋剤を添加して低温で硬化させたとします。
加工後、間もない時には再昇華は発現しないかもしれません。
しかし「ウレタン樹脂」を主成分とするインクは、このウレタンが昇華染料を誘引して再昇華させてしまいます。
弊社が販売しているオールマイティバインダー(水性)やスーパーテックス(油性)は極めて再昇華「しずらい」インクです。
一番良い方法は、生地に一番近い部分に「活性炭」をプリントする事。活性炭は染料を吸着する性質を持ちますので、ここで再昇華はStopします。
熱圧着ラバーシートで再昇華しない事を謳っている製品は、活性炭の層が用意されています。
お客様の悩みをお聞かせ下さい。それらを解決する事が弊社にできる唯一の仕事です。