では「プラスチゾルインク」の隠蔽性ってどうなのか

時折誤解なさっている方がいらっしゃいますが、水性バインダーは「水性」だから染み込みやすく(隠蔽性に劣り)、プラスチゾルインクは「ラバー」だから隠蔽性がある・・・・
これまで時折ご紹介している様に、水性バインダーにも「ラバー」バインダーは有りますし、逆にプラスチゾルインクに「風合いの良い」インクも有ります。
一概に「ラバーインク」だから完璧な隠蔽性があるという訳では有りません

プラスチゾルインクは、
ラトランド社・ユニオン社・ランサー社(エクスカリバーインク)の様に、既に顔料を練ってあり、即印刷出来るような形で販売しているメーカーがあり、
ウィルフレックス社の様に、ベース剤(糊剤)を顔料(PCカラー)を分けて販売し、印刷前に混合撹拌して使う形態にしているメーカーも有ります。
ただ、これは日本国内に輸入されている形態がこうなのであって、
ラトランド社・ユニオン社・ランサー社も、本国ではベース剤のみとか、PCカラーのみとかでも販売しています。
ウィルフレックスにも、既にベース剤とPCカラーを混合撹拌した状態で販売している商品もあります。
プラスチゾルインクも、元になるベース剤の「隠蔽性」が有れば良いけれど、隠蔽性の良くないベース剤を使えばそれなりになってしまう

ホワイトインクを例に挙げると、
ラトランド社のマキシマムホワイト
ユニオン社のPOLYホワイト
等は、隠蔽性が高く且つブリードにも比較的対抗力が有ると言われますが、
これは発泡剤が少量添加されています

以前にもご紹介しましたが、発泡(膨らむ)事によって、下地の色を隠蔽する効果が有ります。
これに対して、ウィルフレックス社のファントムホワイト等は発泡剤は含まれて居ません。
両者をプリント後、試しにプレスして見て下さい。マキシマムホワイトやPOLYホワイトだけは潰れた様になります

余談ですが、POLYホワイトの容器の蓋には1箇所、小さな穴が開けられています。
これは、輸入されてくる間に、発泡剤の影響で容器が膨らんで破裂する事を防ぐ事が目的で開けられています。決して、誰かが恨み辛みで開けたわけじゃありませんのでご安心を

水性編でもご説明したように、プラスチゾルインクでもやはり「赤系」や「黄系」は隠蔽性に劣ります。
発泡を混ぜれば少しは良くなると思いますが
