Amebaでアプリケーションエンジニアをしています、田中広海です。
SIGGRAPH 2011(前編)に続き、SIGGRAPH 2011(後編)としまして、聴講したセッションから、わかりやすくて面白そうなものをピックアップして説明します。
Technical Papers : Call Animal Control!
Articulated Swimming Creatures
モデルの形状と関節から、水中移動の最適化モーションを得る。というものです。流体力学を利用してシミュレーションし、最も移動速度が上がる効率的なモーションを計算するとそのモデル形状の生き物が水中をどのように移動するかが想定できます。
実際に蛇、亀などの形状で試したところ、現実世界の動物と一致しているそうです。ということで、最後に架空の動物を試していて、それらしい動きをしているのを見せてもらいました。
ゲーム用に作成したモデル生物が、どのようにリアルに泳ぐのかを見ることが出来る楽しい研究になっています。
Technical Papers : Colorful
Edge-Aware Color Appearance
人間の目は色差情報で色を認識しているので
ある同じ色の周りに、別の色を配置すると、同じ色が違う色に見えてしまったりします。
図のbとcを比較してもらえるとわかるのですが、
bが普通にアンチエイリアシングをかけたもの。
cが自然に見えるように調整したものだそうです。
Technical Papers : Fun With Shapes
Depixelizing Pixel Art
基本的に同じ色のドットを同じオブジェクト(ベクターデータ化する時の同じデータ)としてみなしているので
色数が少ないものや低解像度のときはうまくいくようです。
うまくいかない例として、リンク先の論文の最後のページに、
目の辺りがおかしいキャラクターを見ることができます)
まとめ
今回初めてSIGGRAPHに参加したのですが、いろいろと感じるものがありました。
普段は研究されたもののうちの一部、既にどこかが実装したものを、受け手として利用させてもらう感じが強く、これほどいろいろと研究されているのか!という驚きがありました。
中には、今すぐにでも使えそうなものがあったりするので、今までもう少しアンテナを広げていれば面白いことが出来たのではないか、という自分への後悔も感じました。
その研究の多さもそうなのですが、海外のCG映画会社やゲーム会社などは、積極的にSIGGRAPHと関わりを持っていること。簡単に言うと、3Dや画像などについて研究して出た結果を、積極的に事業に取り入れているということを感じました。
また自分個人の問題なのですが、セッションの内容を理解できてそこで疑問点があったときに、英語力の問題で質問をすることが出来ず、非常に悔しい思いをすることが何度もありました。次回このような機会がある時までに、英語で発言する能力を身に着けたいと思います。