大将の遺影の裏から、何やら手紙とSDカードが落ちてきた。
それを拾ってカウンターの上に乗せてみおちゃんに見てもらったが。
シゲさん:みおちゃん・・・今遺影の裏からそれが落ちたんだが・・・。
何だか?知ってる?
みおちゃん:いいえ、初めてみましたが・・・。
ミッツさん:手紙って事は・・・大将から何か指示があるんじゃなくて?
ディレクター:みおちゃん・・・手紙・・・読んでみてよ。
安藤快さん:そーだよ、何か大事な事書いてあるかもしれないし・・・。
みおちゃんは手紙を開いて読みだした。
みおちゃん:大将からみおちゃんへ。
これに気が付いたという事は、オイラの遺影が見付かったから
なんだろうな。
そうだ、これは他でもなく。みおちゃんへの遺言だ、お別れの
手紙だ。だから泣かないで読んでくれよ。
何よりもみおちゃんが心配でならないから・・・。
まず先に”ライ雄々だsまのエラス” のレシピを書き記しておく。
あと、作り方もな・・・。もっと詳しい事は、SDカードに動画に残してある。
よく見て勉強するように・・・。字を書くのが苦手だから、大体の事は
SDカードの映像に全て残してあるから見てくれ。
大将より。
レシピは・・・。
魚沼産コシヒカリ20kg
玉ねぎ2t?
2t!?どーいう事・・・。
比内地鶏4羽
どんだけ裁いた・・・?
ウコンの力2本半
ウソでしょ!?で、残り半の行方は・・・?
ほか諸々入り・・・。
ん~ほんとはそこが大事なんだよねぇ・・・www
超~弱火で煮込む事2晩・・・。1クール暖め、冷やしを3回繰り返すこと・・・。
分からない時は動画のチャプター3を観ろ・・・?
大将の72時間クッキングがタイトルだ・・・w。
手間考えて作ってないよね・・・大将って・・・。
大将・・・軽くめんどくさいかもぉ~・・・。
シゲさん:SDカードに遺言ビデオを録画したのか?大将が・・・。
みなちゃん:あの大将・・・案外ハイテクな事するのね・・・。
安藤快さん:早くそのSDカードの動画観てみようや!
ってか・・・。パソコンとか無いよなぁ・・・。誰か今持ってるか?
ミッツさん:お店には・・・置いてないわね。
シゲさん:家から持って来ようか?パソコン・・・あっでも、デスクトップ
しかないか・・・困ったなぁ。
安藤快さん:そーかぁ~・・・大将ごめんよ。
本当はみおちゃんが心配で心配でならなかったんだねぇ~・・・。
それにしても、ごはんが美味しいと思えば。そーか・・・魚沼産か。
それと玉ねぎ2tってwおい!って話だがw
ウコンの力2本半は入れ過ぎやしねぇ~かなぁ~www
なんだかなぁ~・・・。
シゲさん:ノートパソコンとかないしなぁ~。ブルーレイデッキ外して急いで
持って来ようか?
ディレクター:あの、SDカードの再生できるカーナビがロケ車にあるん
で。今から取って来ますよ。ちょっと待っててもらっていいですか?
ミッツさん:ディレクターさん!さっすが!!
みおちゃん:すみません・・・私そういうメカに弱いので良く分からない
んですが。持ってきてもらっていいですか?大事なメッセージかもしれ
ませんし・・・。
安藤快さん:Dー!ちょっと待って!
呼び止められたディレクターに安藤快さんが駆け寄った・・・。
安藤快さん:Dさ!これ・・・使えるんじゃねぇ!?ハンディカム・・・。
ロケ中のSDカード抜いてさ、大将のSD差して。向こうの壁にプロジ
ェクターで写せるんじゃね!?
ディレクター:そっか!それでも見られるかも・・・。あっ!でも今日は
いつものプロジェクター機能のやつ他のロケで持って行かれちゃった
んですよねぇ・・・。
そっか!!これでも、内モニターで再生写して、音声飛ばせますねぇ。
そこにラジオのジャックもあるし・・・。ラジオも店のがあるし・・・。
安藤快さん:そーだよ!でかした!見られるぞ!
おい、みんな。このカメラで大将の遺言映像観られるぞ。
ディレクターが早速準備を始めた・・・。
ディレクター:ロケのSDカードを抜いてっと・・・。そーだよ・・・、今の
TVのロケはSDカードが中心だもんなぁ・・・忘れていたよ。
快さんさすが!でかした!!
安藤快さん:みおちゃん、そのSDカードを貸してくれる。
大将からのメッセージをみんなで観よう!
みおちゃん:それではお願いします。
ディレクター:よし!セットするぞ。
三脚に今立てますからちょっと待ってくださいよ・・・。
電源を入れ、再生ボタンを押した・・・。
全員モニターに注目していた・・・。
大将:う~んっと・・・。こんな感じでいいかな?ここで・・・大丈夫だな。
ん!ん!ん!ん!あああああっ、あ、あ、ああ~~w
大将は緊張していた。
大将が映像に写された・・・。安藤快さん:大将か!?いつ頃撮ったんだろうか?
みなちゃん:なんか・・・大将疲れてる感じもするわね。
みおちゃん:ほんと・・・いつ頃撮ったんだろう・・・。
大将:おっす!みおちゃん!!今この映像を観てるって事は・・・。
きっとオイラ・・・もう死んでいるんだろうなぁ。
オイラな・・・三ヶ月前に腹イテェ~から病院へ行ったんさ・・・。
初めは便秘かなぁ~とか思ったらよ・・・ガンなんだってさ。
余命三ヶ月だってさ・・・あれが何か?今時のインフォームドコンセント
ってのか?ひでぇ~もんだな、余命とかって・・・。
頭ごなしに他人の寿命とか決められるってのぁ~よぉ~!
でさ、手ぇつけらんねぇってもんだから。なるたけ苦しい事になら
ないようにって。ソフトランディングで死を迎えるようにって・・・
色んな薬貰ったは良いけどもさ・・・味覚がもう無くなってもーたさ。
でも店の味変わってないだろ!?
これがなぁ・・・プロの仕事ってもんだよ。
でもさ。最期の最期にさ・・・一つだけ遣り残したことがあってさ・・・。
ある人との約束がまだ叶ってないんだわ・・・。
どーしてもやらねぇ~となんねぇ~んだよ!手伝ってもらう事になる
けど・・・勘弁してくんな!
実はさ・・・。前にTVの散歩番組でやってきた、新井雄々さんが来て
くれたんだがさ・・・。
その後もプライベートで頻繁に来てくれるようになってな・・・。
年齢も近いから、気が合っちゃって合っちゃってだ。
こんな事があったんだわ・・・。
暗転・・・。
からのぉ~・・・。
大将:雄々ちゃんw!飲みすぎちゃいましたね・・・。
店の日本酒全部呑んで帰る気ですかえwwwもぉ~。
お店終わったからって、こんだけ飲んじゃったら・・・明日
二日酔いで仕事になりゃしませんぜぇ~w。ロケとか大丈夫
なんっすかぁ~っ!
ってか、他のお客に飲ます酒まで飲んじゃいましたなぁwww
新井雄々さん:大将~!何を水臭い!明日は明日!今日は今日!
もぉ~ダメなら休んじゃえw!店なんかwww
酒屋に行って、ありったけ酒もってこーい!って朝電話すりゃ~い
いんだよ!んなもんは・・・。
文句ある客がいんなら、こんな定食屋なんかぶっ潰しちゃえばい
いんだよ、んなもんwww。
大将:そーはいきやせんぜ、雄々ちゃん!こんな店でも朝食
代わりに食べに来る常連さんもいるですからねぇ~。
休んだり潰してなんかいられませんぜ!
食べる事は生きること!生きることとは食べる事!
師匠から教え込まれたモットーですもんねぇ~・・・食べないって事
は死んでまう事ですぜいw。
新井雄々さん:おぉ~っ大将気に入った!そーじゃねぇ~とダメだなぁ~。
ぼくもねぇ~ドラマとか映画とかロケあるじゃない!?
もう今日は無理だよ!なんていう時にもね、ファンの人が
どこで嗅ぎ付けたか知らないけれども、現場へ差し入れ持って
来てくれてだ。
しかも、こーーーんなちっちぇ塩大福とかなんだけどもよぉ~w。
”この前のドラマかっこよかったですよ”とかさ。
”舞台観にいきますねぇ”とか言われっちゃうとさぁ~。
嬉しくなって、俄然やる気になっちゃうんだよねぇ・・・。
嬉しいよねぇ~ファンの人とかさぁ・・・人の温ったかみとかさぁ・・・
こんなぼくでも、誰かの為に何かの役に立ってると実感できる
瞬間とかさぁ~・・・。
新井雄々さん:ところでさぁ~・・・大将にだから逆に頼みたい事ある
んだけれどもさぁ・・・。話ぃ乗ってくんねぇ~かな?
大将:頼みってのはなんだい?また、”新井雄々の下町ぶらり旅”で
来てもいいけれどもさ!
新井雄々さん:近くに寄ったら、無理やりでも引っ張って来るけどな。
隣駅で降りたって、ホントはなぁ~んもねぇ~んだぞwホントはさw。
あくまでも、ここだけの話だぞw。
ってかあのさ、昔行った窯元で気に入って買っちゃった。
こぉ~んなにでっかい皿があるんだけども・・・使い道がねぇ~んだ
よなぁ~・・・。困ったもんでさ。
一度さ、お正月に親戚と集まって手巻き寿司パーティーやったら、
ネタが多すぎてシャリがなくなっちゃってでさwシャリだけで3回も釜
炊きしちゃってさwエライ時間掛かったんだわ。
カミさんがそれ以来、あの皿見たら思い出して。ガミガミ怒られる
んさぁ。
でな、そのでっかい皿で料理出して。ここでさ。お客さん驚かしたら
面白れぇ~なぁ~って思ったんだよねぇ。
大将:どんだけの大きさなんですか?
新井雄々さん:そーだなぁ・・・ごはんだけなら・・・10人前は乗るん
じゃないか?普通のカレー皿の10倍はある!
大将:よくそんなの買ったねぇ~w雄々さん。
新井雄々さん:それでだ・・・。ここらの普通のメニューに紛れ込ませて
特大料理を出してお客さん驚かすとか面白くねぇかなってw。
だってさぁ~普通のメニューと思って頼んだら、何だかわからねぇ~こぉ
~んなでっかい皿で。カレーライスとか出てきたらびっくりするべw。
大将:そらぁ~面白いな!乗った!
新井雄々さん:あんまりにでっかくて、その時一緒に居合わせた客とみ
んなでシェアして食べるってさぁ~。タッパーに入れて持って帰るとかさ。
なんか下町っぽくてほのぼのしてていいじゃんw!
昔はよくみんなで一つの皿で分け合って食べたもんだぜぇ・・・。
ぼくの子供の頃なんかさ・・・。そういうところで人の優しさって生まれるもん
だと思うんだがな・・・。最近のコース料理とかは、皿ばっかりでっかくて
こぉ~んなちっちゃなスペアリブとかカルパッチョとかでさw。小魚とか出され
てもさぁ~何だか喰った気しねぇ~のよ。
四角四面にかしこまった料理なんてのは、不味くてならねぇ~よ。
あの星幾つ!?なんていう格付けなんか、クソ喰らえってもんだよw!
大将:そらぁ~いけません!あらぁ~ダメだわ・・・。
小魚逃がして、もっとでっかくなってから食べるか?その親食わないと、
喰った気がしねぇ~な・・・。
それに他人の作った飯に上から目線の格付けもいただけねぇ~な。
料理人を何様だと思ってやんだい!ってんだよ。
新井雄々さん:んでな・・・大将とぼくとで、そのでっかい皿使った料理を
ここで出せないか?って事なんだよ。
お皿は持ってこさせるから、自由に使ってくれていいんだ・・・。
そこの乗っける料理は大将と相談してさ、何がいいかな?って。
でね、原案じゃないけれども・・・。
あれ?スマホに入れておいたんだが・・・レシピが無いかな・・・?
仕入れとかも用意するよ、めっちゃいい食材じゃなくてもいいんだ。
なんならそこのデイリーヤマザキで買ってきたのを乗っけて出すとか
でもいいんだが。それよりもさ、おらぁ~大将と一緒に料理屋がしたいんだわ。
それにしても・・・年のせいでスマホも扱いにくいっちゃねぇ~な。
大将:だとしたら・・・うちでそんだけ大量に作れるものとしたら・・・。
さっきも言っていたように、カレーライスなんてどーでしょ!?
うちだと毎日30~出てるからさ・・・。
新井雄々さん:おっ!カレーライスいいねぇ!そんだけ出てるんだ
大将のところ!美味しいんだろうなぁ~・・・。今度来たら注文しないと。
大将:でも新井雄々さんが作るとか、名前乗っけるとなると・・・。
食材も色々とこだわりたいですよねぇ。
ライスは魚沼産コシヒカリとか・・・。肉も赤身のいいところとか・・・A5
ランクのとか。
新井雄々さん:それとな・・・。事務所も今じゃ五月蝿くてかなわないか
ら名前もあまり堂々と出せない・・・。
知る人しか知らないような・・・口コミみたいな格好にしたいよなぁ・・・。
wwwって。今日、老眼鏡忘れたからwとんでもねぇ~のになったよ。
大将!これ観て。
メニューの名前考えていたら・・・さwww
大将:反対じゃぁ~字ぃ読めませんで。
大将:えっと・・・どれどれ!
”ライ雄々だsまのエラス”
がはははwww!なんですかこれは!!!
新井雄々さん:老眼でよく見えないから、なんとかかろうじて文字登録
してあるの押していたみたいでwww
これじゃなんだかわからねぇ~なwww”ライ雄々だsまのエラス”
だってさwww
大将:何々・・・www?なんですかwこれは一体www
新井雄々さん:ライ=ライスで。スを間違って消しちゃったし。
ホントはカレーライスってマジメに打ったつもりだったのにw
雄々=は、名前が直ぐに変換できないから文字登録してあるの押してw
だSま=だます。って打ったつもりが酔っておかしな事に。
エラス=ってのが。カレエライスってなっちゃって、いけねぇやw
いけねぇやwで直していた。エラスだけ残っちゃってたwww
大将:雄々ちゃんwwwそれでいこー!
”ライ雄々だsまのエラス”
これなら、お客も事務所もわかりゃしねぇ~よwww。
大将:二人の酔っ払いは、この夜にこんな調子で名前が決まっていっただよ。
大将:あの日の夜は、ホントに人生の中で一番楽しい夜だったなぁ。
家食堂だよ!料理屋だよ!もう1軒いこー!とか言い出してさw。
この店どーすんだよwおい!ってwww。
ここも立派な店だばかやろーwあの立派な暖簾が目にはいらねぇ~
のかぁ~!ったら。
新井雄々さん:はっは~御見それしやしたぁ~www
ってな。酔っ払いのたわごとさ。
暗転・・・。
大将:んな酔っ払いのおっさん2人の悪ふざけみたいなもんから全て
が始まったようなもんだ。
でもな・・・その約束も・・・忙しさにかまけてなかなか叶わずにだ・・・。
新井雄々ちゃんは、去年脳梗塞で突然逝っちまったし・・・。
まだ”ライ雄々だsまのエラス”の完成をみていない・・・。
一口も食べさせてやれなかった・・・人生最大の後悔だ・・・。
そこへオイラも余命が無い、時間がない、味覚も分らなくなってきてる。
時間はいっぱいあるようで、その実、全然無いのを今更知る訳だよ・・・。
若いみおちゃんには、ひとっつもピンと来ないかもしれねぇ~がさ。
遣り残した事があるってのはぁ~なかなか死にきれねぇもんだ。
残りの仕事を、みおちゃんに頼むってのもすまねぇ~話だがな・・・。
オイラと雄々ちゃんの遣り残した、最期の夢をかなえてくれねぇかな。
その後の店は・・・みおちゃんが決めていい。畳んでくれても構わない。
”ライ雄々だsまのエラス”だけは、どーにか完成させてくれないかな?
大将:それじゃ!そろそろ次の工程があるから厨房へ戻るぞ。
んじゃ!オイラはここらで行くぞ!じゃあな!
すると、映像はここで途切れていて。別チャプターには、
”ライ雄々だsまのエラス”を作っている様子が、3分クッキングの
BGMに乗って収録されていた・・・。
大将の最期の言葉を聞いていた全員・・・。店内が静まり返る。
シゲさん:大将・・・最期までみおちゃんの事も気になっていたし。
店の事もそーだし、雄々さんとの約束も果たさないとで思って
ずっと気にしていて・・・。
みおちゃんに全て夢だけ託して逝ったんだねぇ・・・。
みおちゃんは、泣くばかりだった・・・。
安藤快さん:みおちゃん!このカレーライス・・・じゃない。
”ライ雄々だsまのエラス”は、みおちゃんに託された・・・店の襷
みたいなもんじゃないのかなぁ?
みなちゃん:まあ、何にも作れないんじゃ。もの凄く重たい襷だろうけ
どもねぇ・・・。
ミッツさん:でも食べることは生きること!って大将言っていたように、
みおちゃんが生きていくのに作り方置いていったんだと思うわよ・・・。
みおちゃんが、”ライ雄々だsまのエラス”をみながら・・・。
みおちゃん:大将・・・それならそれで・・・もっと早く教えてくれれば
いいのに・・・。何で亡くなってからそんな・・・。
みおちゃん:私全然料理できないんですもの・・・。
安藤快さん:いいんだよ、まだ料理できなくたって・・・いつか、
直ぐにできるようになるからさ・・・。
むしろね、この”ライ雄々だsまのエラス”は、ぼく等が食べるよりも
みおちゃんが食べるべき料理だぞ。
見習いの料理人はね、お客が残した料理とか。厨房の寸胴の底
さらってでもその店の味を覚えるもんだ・・・。
そうすることで、何を使っているのか?どんな作り方しているのか?
って憶えていくんだよ・・・。
これは、みおちゃんこそが食べるべきものなんだよ・・・。
おれ達も、この”ライ雄々だsまのエラス”の味は。
絶対に、一生涯忘れちゃいけない。大将が作り出した最期の味なん
だからさ・・・。味わって、残さず、食べようよ・・・なっ!
大将が最期に残していった味だぞ・・・!
ディレクター:さ。みおちゃんも食べて、その感想を聞かせてください。
みおちゃんも食べたが・・・。
みおちゃん:涙の味ばっかりで、しょっぱくてしょうがないわ・・・。
美味しい!ホントに、美味しいです!大将・・・。
まだ寸胴に少し残ってるので。後でじっくり頂きます。
ディレクター:よぉ~っし!こんな感動的なVを・・・。しまった!
SDカードうちのに入れ替えてなかった・・・!どーしよう!!!
この感動的なシーンを録画し損ねた・・・。TVマンとして失格だぁ!
やってもーーたぁ~~っ!
安藤快さん:新井先輩がなぁ~・・・こんなでっかい皿にこんなでっかい
夢を乗っけて置いて逝ったんだなぁ~・・・。なんだかなぁ~この仕事
の意味がちょっと見えてきたようなきがするなぁ~・・・。
安藤快さん:よぉ~っし!ぼくもみおちゃんのお店で何か作ろうかな!?
みおちゃん:勘弁してくれます・・・?
ミッツさん:そーよ、まだ続けるとは言ってないんだし・・・。
そーだったぁ・・・と。ミッツさんの一言で店の空気が凍りつき。
時間が止まったようだった・・・。
ディレクター:みおちゃんが良ければなんですが・・・。
このお店の再起というか。みおちゃん密着でこの後取材させて
もらう・・・ってのはできませんかね?
”新井雄々の下町ぶらり旅”っていう番組は、ぼく等の前番組なんです
よ。新井先輩は、確かに脳梗塞でお亡くなりになって。その後番組に
入ったのが安藤快さんで。ぼくも初めて担当した番組ですんで・・・。
その先輩がこんなにも、ずっと密着して愛着のあるお店ですから。
ぼく等も、お店の行く末が気になりますから・・・。
みおちゃん:・・・。私バイトですけれども・・・。
まだ何にも作れないですが・・・。ここでお店・・・できるのかしら。
大将の料理・・・大好きですもの。
どこまで大将の味に近づけるかわからないけれども・・・。
でも、再開までは・・・ちょっとかかるかもしれませんが・・・。
やってみたいです!
みなちゃん:大将!よかったね!後継者ができたわよ!
シゲさん:大将!あんたの味をみおちゃんが受け継ぐってさ!
やったね!
ミッツさん:みおちゃん!アタシお店開く時に手伝うわよ!
最近うちもお客さん減ってきて困ってるの、ベンリに使ってよ!
みおちゃん:助かります。その時は必ずみなさんに声をかけますね。
安藤快さん:それじゃぁ~さ!みんなで大将の味を忘れないように
さぁ~これ食べようよ!
先輩の新井雄々さんが手がけてるんだもん・・・ぼく等もその
後輩として。ちゃんとこれを食べないといけないしな!
はむはむ・・・はむはむ・・・ほんと!美味い!!
安藤快さん:ん・・・?それにしても・・・。
じーーーーっ・・・気になっちゃった。
安藤快さん:あのさぁ~みおちゃん!
ここに入ってから、ずっと気になっていたんだがさぁ~・・・。
このズンドコベロンチョ、入荷次第って。
どんな料理なの!?
みおちゃん:もぉ~私しらなぁ~~~い!!
みおちゃんの絶叫が轟いたw
暗転・・・。
次へ続く。