上がってきていた。
まずは、目指すは復帰初戦、産経大阪杯だった。

(ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!・・・)

(ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!・・・)
追い切りの様子を見つめる・・・。

(ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!・・・)
グラハム騎手がビシ!ピシ!ビシ!ピシ!と、乾いたステッキの音が
響いていた。

戻ってきたテイオーに、すぐさま駆け寄った。マンセル調教師。
グラハム騎手からは、満面の笑みがこぼれてる。

グラハム騎手:もう、以前のテイオーに戻ってます。いや、
それ以上かもしれませんね。走るのを嬉しがってますよ。
マンセル調教師:そうかい!見ていても、加速もスムーズだったし。
風を斬るような、唸りを上げるような力強かったよ!

そこへ、ドームズセンター長も駆け寄ってきた。
ドームズセンター長:グラハム騎手、今までのボウとは違いますでしょ?
グラハム騎手:びっくりしちゃうね!パワーアップした感じだよぉ。
そんな中、遂に復帰戦を迎えた。
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復帰初戦。トウカイテイオーは、全く追わないまま、ステッキを
持ったまま先頭でゴール。
天皇賞・春での、メジロマックイーンとの勝負になった。

あめちゃん:それでは、天皇賞・春へ、トウカイテイオーに騎乗します。
グラハム騎手にインタビューを行います。
最終追い切りの調子はいかがでしたか?
グラハム騎手:ホントに、一杯になるという感じがなく、地の果てまでも走れそう
な・・・。もう、際限がない感じですね。

あめちゃん:続いては、マンセル調教師です。
無敗のまま天皇賞・春を迎えまして、長い3200mの道のり。
どうお感じになられているでしょうか?
マンセル調教師:まあ、2400mより先は、未知の道のりですけどね。
スタミナの面に関しては、心配しておりません。
テイオーの競馬をしっかりすれば、大丈夫だと思います。
そして、運命の天皇賞・春。出走です。
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トウカイテイオーは、5着に敗れる・・・。
距離なのか?それとも故障なのか?
その原因をレース後には誰にもそれが分からないままだった。

グラハム騎手:4角までは何時も通りの手応えで来ていたのです
けれども。直線では全く・・・。
マンセル調教師:脚や他の箇所で故障が起きたのか?
それとも走るのを辞めてしまったのかな・・・?
もちろんこの敗戦は、ファンの間でも様々で・・・

ちゃー:やっぱりトウカイテイオーには、3000mは長過ぎたんだよ。
ポポ:でも、直線入るまでは、マックイーンの横にいたんだもんな。
失速しちゃったのかな?

ジョージ:テイオーくん、負けちゃったよぉ~。
しかし、それでも信じている。彼の強さを・・・。

ボビー:トウカイテイオーの力は、こんなもんじゃないよ!
ボビーが一番悔しかったに違いない・・・。
そして、運命は再びトウカイテイオーに試練を与えた。

レース後10日過ぎた日・・・。
悲しい知らせが届く。
トウカイテイオー右前脚の剥離骨折。
宝塚記念への出走予定を取りやめ、以降の春シーズンは休養となった。
再び怪我の治療の為、今度は故郷の育成センターへ帰る事になった・・・。
乗り越えられない壁を運命は用意していない。
マンセル厩舎、ドームズセンター長以下、全ての関係者は心の中で叫んで
いたに違いない・・・。
引き続き、舞台:この星を継ぐ者へ!:第3幕③をご覧ください。