【取材】自宅の玄関で性犯罪に遭った女性が体験談をマンガにした理由
高校卒業後、住み込みで新聞配達をしていた。
毎日午前2時に起きて、自転車で朝刊の配達。
こんな時間に出歩いている人など滅多にいないので、同業者以外の人と会うといい気分はしない。
その日も同じように配達をしていると、午前3時頃、2度もすれ違った男がいた。
嫌な予感がしたが、配達を終らせなければ帰れない。
1番嫌な配達先があった。
近くに街灯もなく、2階に玄関がある家で階段も真っ暗。
その家のポストに新聞を投函して、階段を下りようと振り返ったその瞬間。
誰かに抱きつかれて、口を手で塞がれた。
恐怖で声が出ない。
「乱暴しないから!」
「キスだけでいいから!」
こんなことを耳もとで囁かれた。
本当にそれだけで離してくれたけれど、恐怖で声は出ないし力が入らないということを身をもって体験し、本当に恐ろしかった。
駅前の交番に行って一部始終を話すと、若いお巡りさんが
「そんな奴さ~金玉蹴り飛ばしてやればよかったんだよ。」
最後には
「何もされなくてよかったじゃん!」
そっか、何もされなくてよかったんだ。
と納得させられた。
いや、抱きつかれたしキスされたんだけど。
若すぎて、そこまで頭も回らず。
でもね、とにかく死ぬほど恐かった。
それをわかってもらえなかったのが、悲しくて悔しかった。
新聞屋の男連中も、あのお巡りみたいに茶化して終わり。
唯一心配してくれたのは、事務のおばちゃんくらい。
次の日も何もなかったかのように、またあの家に、同じ時間に新聞を届けなければならない。
恐怖で泣きながら、手も足も震えながら、必死で配達した。
でも当時の彼は心配してくれて、チャリンコの後ろから車で追いかけてくれたこともあった。
やさしかったなぁ。
それだけが、せめてもの救い。
今の私だったら、間違いなくそのお巡りの金玉を蹴り飛ばしていることだろう(笑)
性被害に遭った上に、それを茶化され、なかったことにされたりするなんてことは、許されてはいけないと思う。
性をタブーにしない社会は、家庭の性教育から‼️