何度か頂いているエリザベート皇妃の菫のソルベ
毎回、良い感じにアレンジされていますが、今回頂いたソルベは今迄の中で色も味も濃い印象です。
甘党家系のハプスブルク家には、歴代の皇帝や大公・大公女が愛したお菓子が沢山残っており、今でもオーストリアのお菓子屋さんの店先で見つける事が出来る程ですが、シシィも甘いお菓子は大好き。
特に、チョコレートを使ったお菓子のレシピが豊富です
でも、シシィの過酷なまでのダイエット狂は有名ですよね。
ダイエットの為には、1日を通して、オレンジをたったの2個しか食べない日もあった位ですから、太る要素満載のお菓子なんてもってのほか。
その為、少しでもローカロリーのお菓子が考案されたんです。
例えば、ラスクなどもその1つ。
そして、アイスクリームが好きだったシシィの為に、少しでもカロリーを抑えられる様にとシャーベットが出されたんです。
菫のソルベは、菫が好きだったシシィの為に作られた特別な氷菓です。
でも、こんなに苦労をしてまで皇妃の為に考え出されたお菓子やお料理ですが、殆ど手を付けられる事もなく下げられる事も多かったそう。
シシィは宮廷で作られるお菓子よりも、気軽にコンディトライに立ち寄ってお菓子を買う方が好きだったんです
ロイヤル・プリンセスと言うだけで、いつも好奇の目で見られる事を何よりも嫌がったシシィですが、お店の人と何気ない会話をしながらお菓子を選ぶ事が楽しくて仕方が無かったのでしょう
ある時、イギリスを旅行中のシシィは、お付の女官達を巻いて、お気に入りの仲間達とレストランに入った時、シャンパンやサラダ、チキン、ペストリー等をペロッと食べてしまい、娘のヴァレリーを驚かせてしまった事もあるのだそう
シシィの偏食は、ダイエットの為もありましたが、ストレス等精神的な部分もあったのではないでしょうか。
チョコレートが大好きだったシシィ。
お酒も好きで、宮廷の食卓にビールを持ち込んではいけないのにビールを飲んだり、ソルベにシャンパンを注いで味わったり、そこに、家族の会話があったらどんなに幸せだった事でしょう
シシィは、夫である皇帝が愛しているのは、自分の美しさであり、皇帝が作り上げた自分の偶像である事が良く分かっていたんです
だから、僅かでも自由を取り戻す為に、美しくあれば、夫に強い態度で出られると考え、事実、皇帝はシシィが絶縁状と引換に突きつける要求にはNoと言えませんでした。
皇妃の為にと、豪奢なヴィラやシシィの為のお菓子職人など、少しでも帝都に留まって欲しさに、あれこれ考えては与え続けた皇帝ですが、本当に必要な事は、本当のシシィを理解してあげる事だったんですね