ピットナウアー ピッティ2013 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

ピッティ2013

ピットナウアー

 

ブルゲンラント州というオーストリアでもハンガリーに近い場所にある、ゲアハルト・ピットナウアー氏が作る、カジュアルクラスのワイン。

 

 

オーストリアの固有品種であるツヴァイゲルトとブラウフレンキッシュを、全て手摘みで収穫し、醸造はステンレス発酵、12ヶ月のステンレス熟成です。

 

 

彼のワインは初めてですが、ピットナウアー氏がワイン作りを始めた80年代は、オーストリアはワインスキャンダルの真っ最中ガーン


しかも、これから徐々にお父様からワイン作りを引き継ぐと言う矢先にお父様が急死し、当時18歳のピットナウアー氏は、好奇心の赴くまま貪欲に勉強し、友人や勉強仲間の話を聞いたり、海外に勉強に出てワイン作りを覚えていったそうです。

 

 

ピットナウアー氏のセラーは、空気式圧搾機、温度調節付きのスチールタンク、そしてポンプなど最新技術を取り入れたもの。

葡萄作りはビオデナミです。

 

 

ビオを取り入れたのも、自分が好きなワインの一貫性やテーマに気づいたら、それらのワインはビオデナミで作られたものだった事に気づいたから。

その為、ピットナウアー氏は自然環境への配慮云々と言う理屈より、品質の良い葡萄を作りたかったからだそうですおねがい

 

 

私は常々ビオデナミで作ったワインが必ずしも美味しいワインとは限らないと言っていますが、それは、南フランスの様に乾燥して強い風がビュービュー吹いている土地では、病虫害の危険が少なく、ビオデナミが比較的やり易いからです。

 

 

でも、ブルゴーニュなどその他の冷涼な地域では、病虫害の危険がある為、ビオを行うには非常に手間がかかります。と言う事は、危険を犯してまで行う訳ですから、葡萄の生育状態をこまめに見なくてはいけないし、ワインの勉強をしている人なら分かると思いますが、天候、土壌、気流から地形、天体と全てに気を配らないといけませんよね?

 

 

ピットナウアー氏が「ブドウをより丁寧に扱うようになるし、より多くの注意を向けるようになる、そして結果的に品質のよいブドウができるようになる」と言っている様に、まさにそれなんです口笛

 

キャノピー・マネージメントと言う地道な作業を厭わず、手間暇をかけるから美味しくなって当然なんですニヤリ

 

身体に良いと言う理由も大事です。

でも、健康ばかりに特化して、あれもダメこれもダメと否定し、ワインを飲むならビオデナミやSO2無添加な物と言う考え方は、個人的には好ではありません。



それこそ、ロマネ・コンティだってラフィットだって最低限のSO2は添加されているし、文句なく美味しい。そして、何より熟成に耐えられるワインの美味しさは、ワインたる所以だから。

 

 

それだけに、「これだけ手をかけているから品質の良い葡萄が出来るんだよね。あとはエレガントで飲み疲れないワインを作る為に、葡萄の果皮の全ての成分や荒々しいタンニンを抽出しなければ良いんだ」、と言う彼の考え方は、大いに頷けます照れ


 

 

さて、テイスティングレポートですが、外観は縁に紫が残る、非常に濃いルビー色。

 

 

香りは、ブラックチェリー、ブラックカラント等、黒系果実のリキュール。スミレ。

木、樹脂の様なバルサミック系の香り。

ワイン情報ではなめし皮とありましたが、この香りの事?となめし皮はやや微妙。

逆に、私はタバコの様な、若干土とスパイスの香りが混ざった印象。

 

 

味わいは、アタックはふくよかな印象。凝縮した果実の印象。

穏やかで、きめ細やかな酸とこなれたタンニンがバランス良く溶け込み、口中でゆっくりと広がっていく感じです。

 

 

アルコールのヴォリューム感が豊か。オイリーな感じ。

 

 

意外にもサラダ類でも邪魔をしないが、牛肉や鹿肉など赤身肉を濃厚なソースに合わせた料理。パルミジャーノの様なハード系のチーズも可。軽めのウォッシュチーズ。

オーストリアやハンガリーの郷土料理、ガチョウの煮込みには抜群の相性と言えそう。

 

 

ワインの味が濃い割には和食でもいけるのがオーストリアワインの嬉しいところ。

身近な料理では、焼き鳥をタレで。照り焼きやすき焼きなど、しっかりとした味の料理と合わせたいワイン。

 

 

★栽培について(少しマニアックになりますので興味が無い人は飛ばして下さい)

ピットナウアー氏が化学化合物の使用を止めたのは2006年。

使っているのは、硫黄と銅、スプレーするのは、500(牛糞のプレパレーション)501(水晶のプレパレーション)だけ。

水晶はシリカを含み、ブドウ自体や葉など地上に出ているところに作用し、太陽のエネルギとの結びつきを強めるのだそう。

これらを4輪バイクとトラクターでスプレーするのですが、これは重量が少ないため土壌に対する影響が少ないためです。

 

 

醸造過程では、発酵はベーシックなクラスまで問題が起こらない限り自然酵母を使用し、酸化防止剤(SO2)は必要分のみ使います。果実の自然な持ち味を生かすために、新樽使用率を極力減らし、トップキュヴェでも100%旧樽。最高新樽1割以下との事。

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※写真データ紛失の為、画像をお借りしました。同ヴィンテージの写真がぼやけている為、ヴィンテージが違いの画像も掲載します。

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