ブルツィッコ 2010 part1
マレンキーニ
今回のワイン評は長くなってしまい、2つに分けた事をご了承下さい。
イタリアはトスカーナにあるマレンキーニの自家畑は、キャンティの中心部に広がります。
勿論、D.O.C.Gであるキャンティも作っていますが、今回ご紹介するのは、I.G.Tと言う地酒のカテゴリーにあるブルツィッコ。
地酒と言っても、スーパータスカンと言われる、サッシカイアやオルネライア等と同様、カベルネソーヴィニヨンの比率が高く、法律上D.O.C(D.O.C.G)を名乗れないんです。
実は、マレンキーニの醸造所は、11世紀に建てられたメディチ家の別荘が使われています。
石灰質がやや混じる粘土質土壌で、密植度は昔からある畑が2500本/haではあるものの、植替えを行った新しい畑は5000~6500本/ha
収穫は100%手摘み。畑ごとの完熟度を見ながら、9月下旬から10月半ばにかけて収穫しているそうです。
セパージュはカベルネソーヴィニョン80%、サンジョベーゼ20%のブレンド。それぞれの品種ごとに発酵を行い、果皮や種も長い間漬け込んで一日2回ポンピングオーバーを行い、色素や成分をしっかり抽出。
熟成はそれぞれのワインごとに行います。サンジョベーゼは20hlの大樽で12カ月間、カベルネソーヴィニョンは新樽と1回使用した樽を半分ずつ使い、18カ月間樽熟成させます。
ブレンドの後瓶詰、6カ月間瓶内で熟成させてからリリース。
個人的な感想を言えば、期待が大き過ぎたワインでした。
確かにカベルネソーヴィニヨンは力強い味わいの品種ではあるけれど、新世界系では黒系果実の香りが全面に出て、特にカリフォルニアのカジュアル価格帯のワインでは、アタックに甘味を感じる割に、渋みが吐出する程ではないので、ハッキリした味わいで飲み易くなるのが特徴。
一方、ヨーロッパいわゆる旧大陸で作られると、温暖化の影響でカリフォルニア化をしているとは言え、赤系ベリーの香りが入り混じる、酸味のしっかりしたスマートなワインとなる。
今回は、イタリアのカベルネソーヴィニヨンと言う事で、スーパータスカン的なしっかりとした味わいを期待してしまったのですが、スマートで果実味に乏しい平凡な味わいでした。
・・・・・to be continued